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稲盛和夫のエピソード 琵琶湖の思い出
7月1日は「びわ湖の日」です。1981年、琵琶湖の環境保全に関する条例施行1周年を記念して「びわ湖の日」が制定されました。琵琶湖のある滋賀県には京セラの工場があり、稲盛は湖水浴を楽しむこともあったとか。今日は稲盛らしいエピソードを1つご紹介します。
創業して数年たった頃、水泳大会を開催するべく、稲盛は社員全員で琵琶湖へと出かけました。やがて、「沖まで泳いでみよう」ということになり皆が泳ぎだした時、山育ちで遠泳が得意ではなかった創業メンバーの一人が岸に一人、ぽつんと残っていました。それを見た稲盛は引き返し、ぐっとその社員の手を引き、波打ち際に連れていきました。そして、何も言わず社員を自分の背中にスッと背負い、泳いだそうです。
そのことは、背負われた社員にとって大切な思い出として心に残り、40数年のち、「あのことは、昨日のことのように鮮明に覚えています。まるで幼稚園の子供を背負って泳ぎに来た親子のようでした。広い背中、温かいぬくもり。あの時はうれしさとこわさで思わず泣いてしまいました」と当時の思い出を懐かしそうに語っていました。
社員一人ひとりを家族のように思い、全員で水泳を楽しみたいという思いがあったからこそ、稲盛は一人で岸に座っている社員を見過ごすことができなかったのでしょう。そんな稲盛と社員の心温まるエピソードです。