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母校の学生を後押しする稲盛和夫奨学資金と稲盛学生賞

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稲盛は京セラ創業当初から、学生時代の恩師であった竹下寿雄先生や島田欣二先生はじめ鹿児島大学工学部の先生方から多くの協力や支援を受けて事業を行っていました。そして京セラが創立満10周年を迎えた際、その記念事業として母校への恩返しと「人生に限りない夢と希望を抱く若い皆さんに少しでも貢献したい」との思いから、鹿児島大学工学部に稲盛奨学資金を贈りました。この資金はその後長く、在籍学生の奨学金として活用され、若い学生たちの勉学の助けとなってきました。

さらに2002年にはその奨学資金を活用して新たに、工学部に「稲盛学生賞」を創設し、毎年、成績優秀で品行方正な4年生への授与をはじめ、今日までに322名の学生が受賞しています。また、2004年には対象を鹿児島大学全学部に広げて優秀学生を表彰する「稲盛賞」を設けるなど、同大学の学生のために並々ならぬ支援を続けました。鹿児島大学時代の稲盛はデパートの夜警のアルバイトをしながら苦学して卒業しただけに、さまざまな困難のなかでも懸命に努力して勉学の道を究めようとする後進の若者たちにひときわ強い共感と応援したいという思いを禁じえなかったのでしょう。

あるスピーチで稲盛は母校や後進に寄せる思いを次のように述べています。

「立派な人物を育てていくという点では、日本のどの大学にも負けないようなすばらしい大学になってほしいと思っています。(中略)あの鹿児島大学の出身者であるなら、立派な人間性を身に付けようという気持ちを持っているに違いないと思ってくれるような、そういう大学になってほしいと思っています。」

終生、母校を愛し、そこで学ぶ学生の立派な成長を願い続けた稲盛でした。

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1枚目:稲盛奨学資金贈呈式で挨拶する稲盛(1969年)
2枚目:稲盛学生賞授与式で受賞学生とともに(2005年)

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