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稲盛ゆかりの地をめぐる-「香港」

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前々回、1014日の投稿では「海外旅行の日」にちなんで、稲盛が香港への社員旅行(1972128日~22日)をプレゼントした話を紹介しました。このツアーを特集した当時の社内報「敬天愛人」には、社員たちの常日頃の労をねぎらい、活気に満ち溢れた香港を大いに楽しんでほしいと語る稲盛のメッセージが掲載されましたが、中には次のような思いも書かれていました。

「当社は、外国企業との深い交流を通じて発展、成長しており、その結果事業所も米国、西独まで広く展開し、外国、外人とのお付合いは社内で日常茶飯事となりつつあります。しかしながら、実際には社員の皆さん個人々々にはさほど身近かなものとは未だなっていないと思います。そこで、今後はますます海外へ飛躍し、他国間にまたがる大きなビジネスを展開していかねばならないと思っておりますだけに(中略)一刻も早く全社員が国際感覚と国際的視野に立ってモノを判断する素地を造らねばならなくなって参りました」(「敬天愛人」40号)

創業から13年、海外への輸出比率を急速に伸ばしてきた京セラの躍進のため、社員一人ひとりの国際感覚の醸成にも資することを稲盛は考えていたのです。

ツアーでは、極彩色で彩られた奇抜な建築「タイガーバームガーデン(萬金油花園)」や、「アバディーン(香港仔)」の巨大な船上レストランなど今ではなくなってしまった名所も巡っており、社員たちはその中で生涯の思い出となる多くの気付きを得たと言います。過酷な貧富の格差を目の当たりにし、日本の日常に感謝の念を抱き、土産物屋との価格交渉から世界との向き合い方を学んだという声は、社内報の感想記事に貴重な経験と教訓となって掲載されました。

しかしながら、ツアー発起人の稲盛は香港でも客先訪問など仕事に追われ、ゆっくりと楽しむことは難しかったそうです。そんな中、稲盛が街中を熱心に撮影する珍しい写真が残っていました。香港でのつかの間を楽しむようすが、写真からは伝わってきます。

写真1:香港の街並みを撮影する稲盛(九龍半島 石硤尾(せっこうび)の難民アパート付近と思われる)
写真2:社内報「敬天愛人」香港ツアー記念特集号(19725月発刊)
写真3:社内報掲載の「香港島」地図
写真4:(左)「九龍半島」地図

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