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「ザ・カンパニー」

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京セラが目指す「ザ・カンパニー」という言葉に込められた、稲盛の熱い思いをご存知でしょうか。

この概念は、1985年に国内外の幹部社員が一堂に会する京セラグループ国際経営会議で稲盛が提唱したもので、「究極の、これこそ理想的な会社」「企業のなかの企業」という意味が込められています。

1985年は、第二電電など新規事業がいくつか立ち上がり、京セラが今後どのような道に進むべきかを模索していた稲盛は、国際経営会議の場において「大きさだけではなく社風、モラル、会社の状態、財務、社員、お客様、株主、企業理念、経営方針などあらゆる面において理想的な企業『ザ・カンパニー』というものを目指す」と提唱したのです。

この「ザ・カンパニー」が社を挙げた取り組みとなったのは、それから時を経て2002年のことでした。

国分工場(現 鹿児島霧島工場国分ブロック)での社員向けの講演で稲盛は、経営哲学が企業に果たす3つの役割として①会社経営の規範・ルールを示すこと、②会社の進むべき目標・目的を示すこと、③企業に素晴らしい人格(社格)を与えること、と説きました。

人間に人格があるように、企業にも経営者や社員の考え方や生き様、そして企業の組織風土などから自ずと醸し出された「社格」というものがあり、立派な社格を持った企業、世界中の人々が最も模範とし、あるべき理想の企業はどこだろうかと考えた時に、「それは京セラである」と世界中から思ってもらえるような会社。そのような「ザ・カンパニー」を目指してほしい、と社員に呼びかけました。

単に売上や規模、収益だけでなく、経営者を筆頭に、そこで働く社員の考え方や立ち居振る舞い、行動が人々の範となるようなもので、組織風土や文化も人々から共感され、誰からも尊敬されるような企業。そのような、世界に数多(あまた)ある企業の中の企業が、稲盛が考えた「ザ・カンパニー」なのです。

稲盛は、京セラがまさにそのような会社へと成長することを社員に願い、その実現を託しました。そして今も、京セラグループの全社員は、この「ザ・カンパニー」の実現に向け、日々ひたむきに努力を続けています。

写真:国分工場で講演する稲盛(2002年)