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『稲盛和夫の実学』文庫新装版⑫

20260910

『稲盛和夫の実学』文庫新装版(日経BP)から、稲盛の言葉をご紹介いたします。

まず大事なことは、経営は幹部から一般の社員に対してまで「透明」なものでなければならないということである。つまり、経営トップだけが自社の現状が手にとるようにわかるようなものではなく、社員も自社の状況やトップが何をしているのかもよく見えるようなガラス張りのものにすべきなのである。

会社は、決して経営者の私的な利益を追求する道具ではない。会社の使命は、そこに働く従業員一人一人に物心両面の幸福をもたらすと同時に、人類、社会の発展に貢献することである。当然、経営者は率先垂範して、この会社経営の目的を達成するために最大限の努力をしなくてはならない。透明な経営を実践すれば、この使命達成のためにトップが先頭に立って奮闘していることが、社員の目からも一目瞭然になってくる。

また、逆に万が一、経営トップが会社のお金を少しでも私的なものに流用したり、また、接待だからといってゴルフや飲食に多額のお金を使っていれば、やがてはすべて社員の知るところとなる。それでは、社員から信頼されるどころか、社員の離反を生み出すだけである。透明な経営を行うためには、まず、経営者自身が、自らを厳しく律し、誰から見てもフェアな行動をとっていなければならない。

(『稲盛和夫の実学』文庫新装版、p.143-144)