Facebookアーカイブ
連載「稲盛和夫の口ぐせ」-第5回「持っとるか?」

「持っとるか?」――稲盛に随行すると、随所でこの言葉を投げかけられることになります。随行者に預けたクラッチバッグの無事を確認しているのです。車移動のときに大きな荷物があれば、それが「積んだか?」に変わります。鞄やスーツケースがちゃんと車のトランクに積み込まれていることを確かめているのです。
この言葉は、生来の慎重な性格を表しているとともに、注意深い仕事の進め方を反映しています。稲盛は、「有意注意」と自ら言うように、日常あらゆることに細心の注意を払い続けた人でした。
稲盛27歳、京セラ創業2週間前から約10年にわたり記してきた備忘録(手帳)が残されています。毎日毎日、「今日あったこと」「明日やるべきこと」を、丹念かつ詳細に書き留めています。決して達筆ではありませんが、几帳面な文字で綴られ、殴り書きなど見当たりません。
若いときから一日一日をど真剣に生きてきた稲盛は、日常茶飯、何ごとにおいても、着実かつ正確、かつ安全にものごとを進めていくことが習い性となっていたのです。
写真:
1~2枚目:資料の確認や説明をするときには、一つひとつ丁寧におこなってきた
1枚目:定規も使いながら資料を確認する稲盛
2枚目:駅のホームで見送りの盛和塾生に本の説明をする
3枚目:自筆の手帳