求められる塗布精度の向上
テクノロジーの進化とともに電子機器などの小型化・軽量化・薄型化が加速し、搭載される電子部品も小型化が進み、実装の高密度化が進んでいます。
小型基板に小型電子部品を多数搭載するには、それらを正確に、かつ確実に固定する技術が必要となることから、各市場において実装の高精度化が求められています。


電子部品などの接着・
実装の高精度化に
お困りではありませんか?
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ディスペンサ装置の
買い替えにはコストがかかる使用しているディスペンサ装置で精度を上げたい!
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ディスペンサ装置の
設定変更だけでは限界がある塗布精度や塗布径の安定性を向上させたい!
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塗布剤/接着剤の開発には
時間がかかる使用している塗布剤/接着剤で、
塗布精度や塗布径の安定性を向上させたい!
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塗布径がすぐにばらつく
安定した塗布径を長期間維持したい!
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「ディスペンサノズル」の
メンテナンスが面倒塗布剤/接着剤のつまりや洗浄回数を減らしたい!
「ディスペンサノズル」
の最適化で塗布精度/
安定性の向上を可能にする
電子部品などの接着・実装時の塗布精度/安定性向上には、複数の手法が考えられます。一般的にはディスペンサ装置の設定最適化が試みられますが、必要とする精度/安定性が得られない場合、抜本的な解決方法として高精度ディスペンサ装置への変更、もしくは、塗布材変更が考えられます。
しかし、多額の費用が発生することや、これまでの各種ノウハウが活かせないことが悩みとなるようです。
そこで、試みて頂きたい方法として、装置に取り付けるディスペンサノズルを変更するという方法があります。
「ディスペンサノズル」であれば、使用する塗布剤/接着剤に適したものを自由に選択し、交換することができます。
ディスペンサノズルの最適化を
検討してみませんか?
京セラではセラミック製のディスペンサノズルを提供しています。
現在ご使用のディスペンサノズルをセラミックノズルに変更することにより塗布精度/安定性の向上が期待できます。
ディスペンサ装置/塗布剤はそのままに、ノズル部分のみの変更で塗布精度/安定性向上ができれば、
材料開発や装置を新調するよりも、時間と費用を削減することができます。

「ディスペンサノズル」の種類
電子部品などの接着に使われる高精度な「ディスペンサノズル」の中から、代表的な3種類のノズルである、「精密金属ノズル」「セラミックノズル」「ルビーノズル」について説明します。
精密金属ノズル

メリット
- 量産しやすく安価
- 狭小エリア、深い実装エリアへの塗布が可能
デメリット
- 加工時に発生するバリにより
つまりなどが生じやすいため、
塗布径のばらつきが大きくなる - こまめなメンテナンスが必要
- 「セラミックノズル」
「ルビーノズル」と比較して、
内径の微細化が難しい
セラミックノズル

メリット
- バリの発生がなく、壁厚の
薄化、長尺化が可能 - 狭小エリア、深い実装エリア
への塗布が可能 - 安定した塗布径を長時間維持
- ルビーノズルより安価
ルビーノズル

メリット
- バリが発生しない
- 安定した塗布径を長時間維持
デメリット
- 狭小エリアや深い実装エリア
への塗布は不向き - 3種類の中で最も高価
「ディスペンサノズル」の比較
材質別の各精度比較
精密金属ノズル | 京セラ製セラミックノズル | ルビーノズル | |
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価格 | ◎ | ○ | × |
塗布精度 | × | ○ | ◎ |
先端部壁厚 | ○ | ○ | △ |
先端部長尺化 | ○ | ○ | × |
※弊社調べ
「ディスペンサノズル」による塗布精度/安定性の違い
先端内径が0.07mmの「ディスペンサノズル」を用いて、塗布径のばらつきを比較しました。塗布剤は銀ペーストを使用しました。その結果、「セラミックノズル」「ルビーノズル」では安定した塗布径を維持したままの連続塗布が確認できましたが、「精密金属ノズル」ではばらつきが大きい事が確認できました。


※弊社にて測定
「精密金属ノズル」と「セラミックノズル」による塗布精度/安定性の違い
「精密金属ノズル」と「セラミックノズル」の塗布精度/安定性を比較しました。
精密金属ノズルは使い続けると塗布径が大きくなる傾向が見られ、ノズルを洗浄することで初期の水準に戻りましたが、セラミックノズルは、洗浄をしなくても安定した塗布径を維持していました。


※弊社にて測定
「精密金属ノズル」は製造時、先端のノズル部分に切削加工が必要となります。
加工の際にバリなどが発生してしまうため、塗布径に多くのばらつきが生じる場合があります。一方、「セラミックノズル」は焼結したセラミックを研削加工するため、バリなどの発生はありません。よって、塗布径が安定します。
バ リ |
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内径面粗度を比較しても、「精密金属ノズル」よりも「セラミックノズル」の方が面粗度が小さく、塗布精度が優れている事が見て取れます。
京セラ製の「セラミックノズル」は、セラミック成形技術と精密加工技術により開発された製品です。ノズルの内径・外形の設計自由度が高く、内外径の同芯度も厳しく管理されており、3Dプリンターのような塗布精度が強く求められる機器に対しても十分対応できる製品となっています。
内径面粗度比較 | ||||||
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「ルビーノズル」と「セラミックノズル」の違い
「ルビーノズル」は内径を細くでき、小さい塗布径に対応できますが、壁厚が厚くなるためにノズル外径が大きくなります。一方、「セラミックノズル」は先端部の壁厚を薄く加工できるため、小さいノズル外径にも対応できます。そのため、電子部品が密集した狭小エリアでも、部品とノズルが干渉することなく高精度な塗布を行うことができます。先端部の長尺化も可能なため、「ルビーノズル」では届かない深い実装エリアでも、安定した塗布径が維持できます。

ルビーノズル

壁厚が厚くなるため、
ノズル外径は大きくなる
- ・極めて細い内径(0.02mm~)のノズルを作成可能
- ・先端部の壁厚の薄化に不向き
- ・先端部の長尺化に不向き

京セラ製セラミックノズル

壁厚が薄くできるため、
ノズル外径も小さくできる
※内径0.07mmの場合、
ノズル外径0.1mm対応が可能
- ・細い内径(0.07mm~)のノズルを作成可能
- ・先端部の長尺化(~3.0mm)が可能
「ルビーノズル」と
「セラミックノズル」の塗布イメージ
-
実装部品の間隔が狭い場合

「セラミックノズル」は実装部品との干渉を回避できる
-
壁際に塗布が必要な場合

「セラミックノズル」はパッケージの壁や背の高い部品などとの干渉を回避できる
コスト面では、「ルビーノズル」よりも「セラミックノズル」の方が低コストに抑えられるため、ランニングコストの低減にもつながります。
小型水晶振動子用キャビティ付きパッケージへの塗布例

寸法0.2mmSQの超小型PAD上に接着剤を塗布した写真(塗布径:約80µm)
(株式会社PFA様御提供)
京セラ製「セラミックノズル」の項目別製品規格
京セラ製セラミックノズルは、使用環境や使用条件に応じたオリジナルの製品設計が可能です。
「ディスペンサノズル」の変更・交換などの参考にしてください。

番号 | 項目 | 規格/材質/形状 |
---|---|---|
① | セラミック部材質 | ジルコニア |
② | テーパー形状 | 任意で変更可 |
③ | 金具部材質 | SUS303/SUS304/真鍮ニッケルめっき |
④ | 金具形状 | 任意で変更可 |
⑤ | 接続部 | ルアーテーパー/二条ねじ |
⑥ | 先端ストレート長 | 0.10~3.00mm(任意で変更可) ※強度確保のため、条件によっては⑧が制限されます。 |
⑦ | 先端内径 | Φ0.05/0.07/0.10/0.15mm ※公差レンジ0.002mm |
⑧ | 先端外径 | ⑦(先端内径)+0.03mm以上 ※強度確保のため、条件によっては⑥が制限されます。 |
京セラ製「セラミックノズル」の仕様<オープン製品>
サンプル製品を提供しています。下記仕様をご確認のうえ、ご要望の製品がある場合は、お気軽にお問い合わせください。

図面番号 | a) 先端部 内径 |
b) 先端部 外径 |
c) 先端部 ストレート長 |
d) 接続部 |
e) 金属材質 |
サンプル 提供 |
---|---|---|---|---|---|---|
Z0223S01B-0510R | 0.05mm | 0.10mm | 0.20mm | ルアー テーパー |
SUS303 | 提供可 |
Z0223S01B-0712R | 0.07mm | 0.12mm | 0.20mm | ルアー テーパー |
SUS303 | 提供可 |
Z0223S01B-1016R | 0.10mm | 0.16mm | 0.20mm | ルアー テーパー |
SUS303 | 提供可 |
Z0223S01B-1520R | 0.15mm | 0.20mm | 0.20mm | ルアー テーパー |
SUS303 | 提供可 |
図面番号 | a)先端部内径 | 製品単価(1pcs~) |
---|---|---|
Z0223S01B-0510R | 0.05mm | 9,500円 |
Z0223S01B-0712R | 0.07mm | 5,800円 |
Z0223S01B-1016R | 0.10mm | 5,600円 |
Z0223S01B-1520R | 0.15mm | 5,600円 |
※オープン製品からの仕様変更の場合、製品単価は別途見積もりとなります
※日本国内への納入に限ります
※材料価格の高騰や社会情勢などの影響により、製品単価に変動が生じる場合があります
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