京セラの物体認識AI技術・業務効率化を
支援するソリューション

現場の負荷軽減とサービス向上を実現するAI技術
近年、AI技術の進歩は目覚ましく、様々な分野で応用が進んでいます。特に、画像認識技術は自動運転や顔認証など、私たちの身近なところで活用され、社会に大きな変化をもたらしています。
京セラは、創業以来、材料技術をベースに様々な事業を展開し、世の中に貢献してきました。その中で培ってきた画像処理技術や光学技術、そして長年培ってきたAI技術開発のノウハウを融合させることで、高精度かつ高速な物体認識AI技術を実現しました。この技術は、小売や医療現場における様々な課題を解決する可能性を秘めています。
薬剤認識システムへの応用
入院患者様の持参薬の確認業務を効率化
入院患者様の中には、普段から服用している薬を持参される方が多くいらっしゃいます。病院では、これらの薬剤の内容を正確に把握し、電子カルテに登録する必要がありますが、薬剤の種類や数量が多岐にわたるため、確認作業に多くの時間と労力を要していました。
京セラは、独自の物体認識AI技術を活用し、カメラで撮影するだけで、患者様が持参した薬剤を自動で認識・特定する「薬剤認識システム」を開発しました。※2※3

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高精度な薬剤認識
一包化された薬剤やPTP包装シートなど、様々な形状の薬剤に対応し、薬剤名、剤形、含量、用法・用量などを高精度に認識します。
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簡単操作
専用の撮影台などは不要で、机の上に薬剤を並べてカメラをかざすだけで、簡単に認識が可能です。
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電子カルテとの連携
認識した薬剤情報は、電子カルテシステムと連携することで、入力作業の効率化、転記ミス防止に貢献します。
食事管理システムへの応用
患者様の食事量と栄養摂取量を簡単に記録
病院や介護施設では、患者様や入居者様の健康管理のために、食事内容を記録し、栄養摂取量を管理することが重要です。しかし、従来の食事記録は、看護師や栄養士が目視で確認し、手作業で入力する必要があるため、大きな負担となっていました。
京セラは、独自の物体認識AI技術を活用し、カメラで撮影するだけで、食事内容を自動で認識し、栄養摂取量を計算する「食事管理システム」を開発しました。

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高精度な食事解析
多様なジャンルの料理を、三次元測距技術と認識AI技術の融合により、食べた量と栄養摂取量を精度よく記録できます。
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簡単操作
食事前、食事後にカメラで撮影するだけで、簡単に記録できます。
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献立システムへの連携
認識した料理情報に基づき、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量などの栄養素を自動で計算します。
京セラの「物体認識AI技術」なら
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認識対象数の拡大に対応
従来の物体認識AIでは、認識可能な対象物の数が限られており、数千種類以上の多様な物体を高精度に認識することは困難でした。京セラの物体認識AI技術は、独自の物体認識AIアーキテクチャを採用することで、数千種類以上の物体を高精度に認識することが可能です。この技術により、これまで自動化が難しかった、より複雑な業務へのAI導入が可能となります。
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認識対象の重なりや見え方の違いに対応
従来の物体認識AIでは、対象物が重なっていたり、角度や向きが変わっていたりすると、認識精度が低下するという課題がありました。京セラの物体認識AI技術は、独自の物体認識AIアーキテクチャと学習データ生成技術により、重なりや見え方の変化に強く、安定した認識精度を実現します。これにより、実環境における様々な状況下でも、高い認識精度を維持することが可能となります。
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新規認識対象の登録がカンタン
従来の物体認識AIでは、新しい種類の物体を認識させるために、膨大な量の学習データを用意する必要があり、時間とコストがかかっていました。京セラの物体認識AI技術は、独自の物体認識AIアーキテクチャと学習データ生成技術の組み合わせにより、少量の学習データで高精度な認識を実現します。そのため、新規の認識対象を追加する際も、短時間で簡単に登録することが可能です。※1
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※1 2023年3月に神奈川県内スーパーにて商品点数8000点に対応した無人レジシステムの実証実験を実施済み
京セラの物体認識AIアーキテクチャ
従来手法として深層学習による分類器を使用する方法が挙げられますが、分類可能な物体数の拡大が課題となっていました。当社が独自に開発した特殊な構造を持つ物体認識AIアーキテクチャを利用することにより、分類精度を維持したまま物体数を拡大※2することが可能となっています。
※2 物体認識AIアーキテクチャ(特許実績)
・P7262650, P7082239:認識装置、端末装置、認識器構築装置、認識器修正装置、構築方法、及び修正方法
・P7260706, P7148689:認識器学習装置、認識装置、電子機器、及び学習方法
京セラの物体認識AI学習技術
従来手法では、物体認識AIの認識精度を向上させるため、大量の学習データが必要となっていました。当社が独自に開発した学習データ生成技術※3を活用することにより、少量の学習データを効果的に水増し(Augmentation)することができ、商品が重なり合ったり、商品を手に取ったりするような従来手法では認識が難しいシーンにおいても高精度な物体認識が可能となっています。
※3 京セラの物体認識AI学習技術(学会発表実績)
国際学会 MVA2021 (17th International Conference on Machine Vision Applications)にて発表済み
発表日:2021/7/25-27 タイトル:Cut and paste curriculum learning with hard negative mining for point-of-sale system