アジア最大級のトレイルランニング大会を
支えたタフなスマホ「TORQUE® 5G」
- 【背景・課題・ニーズ】
- ● 大会スタッフに連絡用スマホ、専用無線機、予備バッテリーなど多くの荷物を持たせるので負担が大きい
- ● 悪天候のなかでも、大会運営に集中できるコミュニケーションツールが必要
- 【施策・成果】
- ● TORQUE 5Gに専用アプリをインストールして、電話とIP無線の1台2役に!
- ● 大会3日間で充電ゼロ回の端末も。「壊れた」「動かない」という報告もゼロ
富士山を舞台に繰り広げられるトレイルランニングレース「UTMF/ウルトラトレイル・マウントフジ」(https://past.ultratrailmtfuji.com/)。2022年4月22日から24日にかけて開催された第10回大会では、運営スタッフ間の連絡ツールとして京セラの高耐久スマホ「TORQUE®(トルク) 5G」が採用されました。電話のみならず、専用アプリ「Buddycom(バディコム)」をインストールしてIP無線としても活用。大会の共同代表を務める株式会社アールビーズの岡嶋 智己氏と、同社の山本健一氏に、実際の使い方や導入メリットについて伺いました。
※2022年4月現在
「3年ぶりの開催」「初めてのコース設定」などの理由から、安全を最重視した2022年大会
UTMFの第1回大会が行われたのは2012年。新型コロナウイルス感染拡大による2020年と2021年の中止を経て、今回の2022年大会は10回目の開催となりました。日本を代表するトレイルランニングレース大会の一つで、最も長い距離を走るカテゴリーでは富士山こどもの国(静岡県富士市)から富士急ハイランド(山梨県富士河口湖町・富士吉田市)までの全165.6kmを44時間以内にゴールする必要があります。
選手たちは起伏の激しい樹海や砂礫の上を、自身のコンディションと向き合いながら昼夜を問わず移動し続け、時には強い雨や風、日差し、寒さに見舞われることもあります。そのため、彼らの安全を守る運営サイドには万全の体制が求められます。
「3年ぶりの開催で胸を躍らせる一方、私たち運営者からすると『100マイルのレースは国内で久しく開催されておらず選手の負担が大きいのでは』『今回はコースやメイン会場を刷新したのでスタッフも未経験の部分が多い』といった懸念もありました。従って2022年大会は『安全管理の徹底』を最重視して臨みました」(岡嶋氏)
実際にレース開催3日前には「1時間に40mmの激しい雨が降る」という天気予報を受け、序盤の難所にして見どころである天子(てんし)山地の迂回を決断。「大会のクオリティが落ちる」「予報だけで判断するのはどうか」といった議論が交わされる中、最終的には選手の安全と環境への負荷を考えて別ルートを設定しました。
無線機とスマホを1台に集約!
UTMF 2022の運営スタッフは、主に「大会本部」「エイドステーション(水分や食料を提供し、傷などを手当てする施設)」「スイーパー(レース最後尾を管理するメンバー)」「山岳レスキューチーム」で構成されます。今回は各自の連絡手段として、京セラのスマホ・TORQUE 5Gに、株式会社サイエンスアーツのIP無線アプリ「Buddycom(バディコム)」をインストールして配布しました。
「電話としてもIP無線としても使えるため、今までのように携帯電話と無線機の2台を渡す必要がなくなりました。今大会の運営スタッフは52人なので、従来であれば計104台を手配していたことになり、相当な手間やコストが生じたと思います。Buddycomで一斉通話と個別通話を切り替えられ、全9カ所あるエイドステーションの責任者、コース上のスタッフ、レスキューチームの間でスムーズに情報を共有できました」(岡嶋氏)
大会中は各スタッフが「エイドステーションを通過した選手数」「リタイアした選手の状態」「レース最後尾の現在地」などを定期的に報告。中でもエイドステーションを通過した人数の報告では、従来は無線機の割り当てから本部と安全管理チームの2回に分けて連絡していましたが、1回で済むようになっています。
「話した言葉をテキスト化してくれたのも便利でした。これまで手入力していた選手数やタイムなどの数字も口にするだけで文字になるため、慌ただしい現場で役立ちましたね。動画や写真もチャットに残せるので、コース上のがけ崩れや倒木も視覚的に報告できます」(岡嶋氏)
またBuddycomは、各端末のアカウントを切り替えることで使用者がわかります。どのTORQUE 5Gを誰が使っているのかがひと目でわかり、重宝したようです。
雨にも落下にも強いという安心感!
UTMFでは今回のTORQUE 5Gの前身モデルも含め、実に3大会連続で連絡ツールにTORQUEシリーズが採用されています。なお、2017年大会は強い雨の中での開催となり、各スタッフはスマホの扱いに苦労していたといいます。
「山岳地帯なので風雨を遮るものはなく、ましてレスキューチームやスイーパーは傘を差せません。端末を入れたポケットやザックに水が溜まることもあり、各自がポリ袋などに入れて対策するものの、取り出すのは相当な手間でしたね。また、今大会では着信音の鳴らないIP無線を利用するため、端末を手に持つスタッフが増えると予測しました。当然ながら雨にさらされる場面も多く、ほぼ完全防水の機種でないと採用できません。だからTORQUE 5Gがふさわしいと考えたのです」(岡嶋氏)
さらに選手を救助する際、スマホが濡れたり、落としたりするのを注意しなければならないことがスタッフにとってストレスになっていたとか。その点でもTORQUE 5Gは「2mの高さから落としても壊れにくい」「灼熱の炎天下でも氷点下でも正常に作動する」「水深2mの海水にも耐える」といった特長を備えているため、心置きなく使えたようです。
電池取替式だから充電不要で使える!
TORQUE 5Gは4,000mAhの大容量電池パックを搭載。連続通話時間は約1,720分、連続待受時間は約350時間とタフな上、電池取替式なのでUTMFのように充電が難しい環境での使用に適しています。
京セラも大会に向けて予備の電池パックを用意しましたが、レース中に電池を交換した機種はほぼ皆無とのこと。岡嶋氏はまた「3日間フルで使っても、スイーパーはTORQUE 5Gを充電さえしていないかもしれない」「夜間の暗い山道でのバッテリー交換は困難。さらに気温が低いと電池の消耗も激しいため、長時間使える機種でなければ」と話します。
「スイーパーは選手と共に走ったり、歩いたりしているので電池交換のような作業は難しいですよね。スマホを細かく操作するのも大変なので、やはりTORQUE 5G とBuddycomの組み合わせが役立ちました。さらにGPSのアプリを入れれば『電話』『IP無線』『位置情報の通知』の3役を任せられますね」(岡嶋氏)
スイーパーは自分と選手用の応急処置用具や経口補水なども持つ必要があり、一つでも荷物を減らせることのメリットは大きいとのこと。加えて、今大会までは予備のスマホやバッテリー、電源ケーブルなども渡していましたが、今後はTORQUE 5Gのみで済ませることも検討中といいます。
なお、京セラは自社イベントなどを通じてTORQUE 5Gの持ち運びに便利だと判断し、サコッシュを提供。岡嶋氏も「ネックストラップは走ると体に当たり、ひもが切れてしまいますが、サコッシュは安定して持ちやすかったです。非常に助かりました」と話していました。
“Re Born”から“完全復活”に向けて
UTMF 2022を振り返り「3年ぶりの開催で、バージョンアップのためにメイン会場を変えて新しいコースも設置しました。この点が最も苦労したと同時に、実現できて最もうれしいです」と岡嶋氏。
山本氏も「初めて運営に参加しましたが、会場に一体感を生む演出が素晴らしく、居心地がよかったです。選手たちも期待され、それに応えるため日々努力しているのがわかり、やりがいのある大会ですね。岡嶋氏の表情を見ても疲労の中に輝くものが見え、彼のライフワークだと思いました」と続けます。
なお、今大会の告知ポスターに用いたキーワードは「Re Born」。コロナ禍にもかかわらず、会場やコース、種目を変えても成功させたことは次回につながると確信しているとか。さらに目指すは「完全復活」。かつてのように、世界中のトップアスリートが富士山麓に集結する日を願っています。
「選手たちが完走することに意義を感じて練習に打ち込む、非常にステータスの高いレースです。運営側もまた、最後の一人がフィニッシュするまで熱く見守ります。各自の思い入れが本当に強く、今後も長く継がれていくでしょう」(山本氏)
UTMFクラスのレースになると会場があまりにも広大なため、一般の無線では電波が届かず、IP無線の利用が常識になっているようです。海外のレースでもスマホに無線やGPS、人数管理のアプリを入れて使うのが主流とのこと。トレイルランニング界において「TORQUE® 5G」×「Buddycom」の活躍は今後も続きそうです。
タフなスマホTORQUE 5Gを詳しく知りたい人は
コチラよりホワイトペーパーをダウンロード
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デスクレスワーカーをつなげるライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom」の開発・販売
※「TORQUE」は京セラ株式会社の登録商標です。