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稲盛和夫 魂の言葉108

『稲盛和夫 魂の言葉108』(宝島社/稲盛和夫=述、稲盛ライブラリー=構成)から、稲盛の言葉とその言葉に関連するエピソード・情報をご紹介いたします。
<稲盛の言葉>
「もうダメだ、無理だというのは、通過地点にすぎない。すべての力を尽くして限界まで粘れば、絶対に成功するのだ」(P166に掲載)
<宝島社の解説文>
京セラが創業わずか10年ほどで、株式上場を迎えることができたのも、稲盛氏以下、従業員のすべてがまさしく極限状態にまで挑戦し、持てる潜在能力を引き出しながら、駆け抜けていったからにほかなりません。
どんな難しい注文にも「はい、できます」という二つ返事で仕事を請け負い、未来の可能性を信じて、現在の身の丈に合わない製品開発にも果敢に挑戦し、苦心惨憺(さんたん)してこれを成し遂げ、納品をしていった。その結果、京セラはファインセラミックスの分野では世界一と呼ばれるような企業に成長し、その技術を核にしてより多角化を進め、今日では売上2兆円に迫る大企業にまで発展しました。
それはまさしく誰にも負けないような努力を、社員全員で心がけてきたからなのです。
マラソンにたとえるなら、そのスタートからどんなにオーバーペースであろうとも、全速力で走り続けていった、ということになるでしょう。なかには「こんなペースで走り続けて本当に最後までもつのだろうか」という疑問も飛び出したそうです。そんなとき、稲盛氏は次のように、社員に説いたと聞きます。
「京セラは戦後に始まった日本の経営レース、企業マラソンに周回遅れで参加したようなものだ。1945年にスタートしたこの戦後の日本の産業界の覇権を競うレースに、私たちは創業年の1959年に参加したわけだから、他の企業より14年も遅れている。これを距離にたとえるなら先頭集団から14キロも遅れていることになる。これほど離されたうえに、42.195キロのなかを走って勝負しなければならない。ただでさえ14キロも離されているのだ。一流企業でもない中小企業がチンタラ走っていては勝負にすらならない。とにかく全力疾走をしてみようではないか」
その後、わずか10年ほどで大阪証券取引所第二部に上場、続いて3年後には東証一部上場という快進撃を京セラは続けていくことになります。一部上場の翌年には、ソニーを抜き日本一の株価にも輝きました。
自らの限界を設けることなく、そのうえで誰にも負けない努力を続けることこそが、成功の秘訣と言えます。
(『稲盛和夫 魂の言葉108』より)