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日本航空の再上場(2012年9月19日)

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本日、9月19日は、稲盛が再建に携わった日本航空(JAL)が東証一部に再上場した日です。

2010年1月、日本航空は、2兆3,000億円という事業会社としては戦後最大の負債を抱えて、会社更生法の適用を申請し、事実上倒産しました。その日本航空を再生させるため、政府から強い要請を受け、同社の会長に就任したのが稲盛でした。

周囲から強い反対がある中で、あえて稲盛がこの大役を引き受けたのは、社会的に3つの大義があると考えたからです。1つ目は二次破綻による日本経済全体への悪影響を食い止めること、2つ目は残された社員の雇用を守ること、3つ目は正しい競争環境を維持して国民の利便性を確保することでした。

稲盛は会長就任の挨拶で、日本航空の全社員に、次の言葉を紹介しました。
「新しき計画の成就は ただ不屈不撓の一心にあり
さらばひたむきにただ想え 気高く 強く 一筋に」

この言葉は、かつて京セラにおいて、新たな成長戦略を描き、それを実現しようとしたときに、経営スローガンとして掲げたものです。その意味は、「新たな計画を成就する鍵は、ひとえにどんなことがあろうとも決して挫けない心にかかっている。だからこそ、高邁で強烈な思いをひたすらに抱き続けなければならない」というものです。これを、日本航空の再建になぞらえたのです。

破綻当初の日本航空は、倒産したことに対する危機感や当事者意識が欠けており、社員の一体感もなく、再建は不可能とさえいわれていました。そのような中で、稲盛が日本航空へ携えて行ったのが、「フィロソフィ」と「アメーバ経営」でした。

稲盛の会長就任後、それまで赤字続きだった日本航空は、翌期には営業利益1,884億円をあげる、世界の航空業界の中で最も高収益の会社に生まれ変わりました。そして2012年9月19日、日本航空は再上場し、わずか2年8カ月という短期間で再生を果たしたのです。