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心。人生を意のままにする力

<稲盛の言葉>
大切なのは、いかなるときでも「感謝の心」をもって対するということです。
災難にあう、困難な状況に陥る、思うとおりの結果がでない――そういうときに感謝しなさいといわれても、なかなかそうできるものではありません。よほど人間ができていないかぎり、「なぜ自分だけがこんな目にあうのか」と不満を口にし、愚痴をこぼし、恨みつらみでいっぱいになってしまうのです。
一方、よいことばかりが起きて、何もかもが思いどおりに運んでいるときであれば感謝できるかといえば、なかなかそうはいきません。よいことがあればあったで、それを「当たり前」だと思い、それさえ不服に思って「もっと、もっと」と求めてしまう。それが人間の性というものです。
つまり、悪いことがあっても、よいことがあっても、感謝するのは同様にむずかしいことなのです。
いまどれほど順風満帆であろうとも、それが未来永劫続くわけではない。それにおぼれて驕り高ぶることなく、つねに謙虚な気持ちで自らの行いを律するとともに、感謝の念を忘れてはなりません。
そして、災難、苦難、不幸といった状況に直面しているときこそ、実は感謝する「絶好の機会」なのです。なぜならば、そうした過酷な環境や厳しい出来事が私たちの心を鍛え、魂を磨いてくれるからです。(P38-39に掲載)