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稲盛のエピソード「母の日 稲盛が母から教えてもらったこと」

5月10日は母の日です。稲盛が大切にしている「常に謙虚であらねばならない」ことや、「人間として何が正しいかを判断基準にする」という生き方は、母である稲盛キミ(写真)の教えにその原点を見ることができます。今日はそんなエピソードを関連する書籍から紹介します。
稲盛は幼い頃、
「流しに熱湯を捨てないといけないときは、シジンさんに『ごめんなさい』と声をかけてから流しなさい」
そうキミから念を押されていた。シジンとは水神のなまった言葉である。万物には神が宿っている。そんな思いを抱かせるような教えが、日常の中に生きていたのだ。(『思い邪なし』毎日新聞出版)
母はよく私たちきょうだいに言い聞かせた。
「あんたたちは悪いことをする子じゃない。でも、誰でも一人でいるときは、どんなことでも考えられるし、どんなことでもできるから、気をつけないといかんよ。人間は一人になったときが一番怖いんだ。神様、仏様は、いつでも見ておられるから、陰であろうと何だろうと、いつも正直にいいことをしなきゃいかんよ」
そしてこうも言った。
「だから一人でいるときにも、神様、仏様が見ていると考えて行動しなさい。迷いがあるときは『見てござる 見てござる』と自分に言い聞かせなさい」と。 母の教えは私の心に深くしみ入り、一人でいるときも不思議と悪さをしなかった。(『ごてやん 私を支えた母の教え』小学館)
目に見えない大きな存在を畏れ敬う気持ちを育んでくれた母の愛情あふれる躾は、今でもなお稲盛の心の支えとなっているのです。
写真:稲盛の母キミ