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不況を次の発展の飛躍台に -1つの予防策と5つの対策-<前編>

200518

「不況に対する考え方」「不況に備えての予防策」

稲盛は過去に幾度も襲ってきた経済危機に際し、社内外にて不況に対する心構えを示し、苦難をチャンスに変えることの大切さを繰り返し話してきました。講話の内容は、「不況に対する考え方」「不況に備えての予防策」「不況における5つの対策」にまとめられ、稲盛和夫オフィシャルウェブサイトに掲載されています。

昨今の世界の経済状況に鑑み、掲載されているコンテンツを、2回に分けてご紹介いたします。前編は「不況に対する考え方」と「不況に備えての予防策」です。なお、後編は今月末を予定しております。

・不況に対する考え方
「不況は成長のチャンス」
企業は不況を境に体質を強化し、次の飛躍に備えることで発展していくのです。不況が厳しければ厳しいほど、明るくポジティブな態度で、全員一丸となって創意工夫を重ね、努力を尽くして難局を乗り切ることが大切です。
不況に遭遇したとき、従業員が結束して努力をすることによって、ひとつの「節」が作られていきます。それは竹の節のようなものです。
好況のままスッと成長していけば、単調な成長となっていきますが、不況のたびに全従業員が結束し、ひとつになって頑張ることによって、次の飛躍の足がかりとなる「節」が作られていくのです。そうした「節」が多いほど、企業は立派になっていくのです。

・不況に備えての予防策
「高収益であれ」
不況への対処として最も大切なことは、普段から高収益の経営体質を作り上げておくことです。
高収益であるということは、不況になって売上が減少しても、赤字に転落しないで踏みとどまれる抵抗力があることを意味します。私はよく、「10%くらいの利益率が出せないようでは、経営のうちに入らない」と言っていますが、高収益は不況への最大の予防策なのです。
また、高収益企業では、内部留保が増加してくるので、不況が長引き利益が上がらない状況が続いても、耐えることができます。さらに余裕資金を使って、不況で普段より安くなっている設備を購入するなど、思い切った設備投資もできるのです。
経営とは、不況で追い詰められてから頑張るものではなく、かねて高収益になるように全力を尽くしておくべきものなのです。