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お好み焼き一枚の幸福

「大企業の創業者にもなれば、きっと私生活でも豪華でおいしいものを食べているだろう」と思われる方も多いのではないかと思います。しかし、稲盛の食生活は、実は大変慎ましいものです。そこには「足るを知る」という稲盛の考え方が現れているのかもしれません。以前、たった一枚のお好み焼きにしみじみとした幸福を感じると稲盛が話していたことがあります。素敵なことだと思いませんか。
5月7日は日本コナモン協会制定の「コナモン(粉物)の日」。本日はお好み焼きについて稲盛が語ったエピソードをご紹介します。
「(JALの再建を終えてから)時間ができたので、長年、私の仕事を支えてくれた家内と、どこかへ旅行にでも行こうと考えていますが、まだなかなか行けていません。家内が三度三度の食事をつくってくれるので、外食に行くこともほとんどありません。外食に出かけても、どこに行ったらよいというあてもないものですから、近所の商店街の中にある古いお好み焼き屋に、二人で入っていきまして、530円の豚玉をそれぞれ一枚ずつ焼いてもらって、食べたりしています。
そんな格別なことがない平凡な日を送るだけでも、『幸せだな』という気持ちがふつふつと湧いてくる毎日です。仕事一点張りのころは、そんなことを考える時間もありませんでした。でも、こうして時間ができて、人生を振り返ってみると、『私ほど幸せな人間はいない』としみじみと思う毎日です」
(2013年12月17日 盛和塾西日本地区忘年例会『私の幸福論』より)
幸福というのはどこか遠いところにあるのではなく、意外と私たちの身の回りの身近なところにある。大切なのは、そういうさりげない日常の中に幸せを感じ取れる心の在り様なのだということを稲盛は伝えたかったのかもしれません