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稲盛ライブラリーこの逸品「イナモリコレクション マイセンデザイン」

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稲盛ライブラリーの展示品から逸品を紹介する本コーナー。今回は2F「技術・経営」のフロアから、「イナモリコレクション マイセンデザイン」を取りあげます。フロアの中でもひときわ目を惹く展示品ですが、稲盛はその輝きにどのような思いを込めていたのでしょうか。

高温で焼結された高純度アルミナセラミックスがもつ美しい透光性。微細な粒子で構成された滑らかな手触り。そのようなセラミックスがもつ"美"に着目した稲盛は、創業当時よりファインセラミックスを装飾品や工芸品などの用途に利用できないかと考え続けてきました。試行錯誤を繰り返しながら、1974年には赤や青の美しい光沢の多結晶アルミナを開発しました。その後、さらなる改良を加え透明な光沢と深い色合いをたたえる高純度アルミナ磁器にドイツ・マイセン社の絵付けを施した「イナモリコレクション マイセンデザイン」を生み出したのです。

1997年11月にプレス発表が行われると、その高度な技術と芸術との融合が評価され、後にドイツ国立マイセン博物館へ収蔵・展示されるに至りました。当時の心境を稲盛は次のように述べています。

「ファインセラミックスの研究を始めた時より心にあたため続けた大きな夢が私にはありました。自分の技術により生み出されたルビーやサファイアなどの宝石を使い新しい『器』を創り出してみたい。それに、素晴らしい絵付けをしてもらい、世界中の人に喜ばれる現在の『玉器』とも呼べるものを世の中に送り出したい。この私の永年の夢がドイツのマイセン社との提携により叶うこととなり、この度皆様にご披露させていただくことになりました。最先端のファインセラミックスの素材と世界最高峰にあるマイセンの絵付け。この両者の巡り合わせによって生まれた、これらの作品が全く新しい芸術品として、多くの人に愛され永く歴史に刻まれることを心より願っております」
(1998年イベント配布リーフレットより)

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