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稲盛和夫、かく語りき
『稲盛和夫、かく語りき』(日経BP)から、稲盛の言葉をご紹介いたします。
<稲盛の言葉>
経営者のところから指示命令があって、ワーカーが仕事をしていくというのは欧米流といいますか、資本主義社会の経営スタイルだと思うんですね。それでは、やっぱり使う人、使われる人という、そういう関係はある種の効率は非常にいいかもしれないが、逆に働きがいとか、生きがいをなくす恐れが強い。
そこで、小さい組織にすることによって参画意識を持たせる。実は京セラの場合、業績がいいと、それは「私がやっているから業績がいいんだ」と1万何千人いる社員がみんなそう思う雰囲気をつくっています。そういう社員の知恵と力を結集することができるのが大事だと思ってきた。ですから、ここまで来られたと思ってます。
みんながよくやってくれるもので、今でもリストラで退職を募ったり、そんなことは一切していません。みんなが真面目に仕事をしているから会社もしっかりしているし、業績もしっかりしていますので、そういうリストラは必要ない。常に自発的にリストラのようなことをやっているから、何もそういうドラスチックな血の出るようなことをする必要がないわけです。
(P69-70に掲載、初出は『日経ビジネス』1996年12月23・30日号)