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カメラマンが見た稲盛和夫 写真家 神崎順一

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1980年(昭和55年)3月入社式の撮影がご縁の始まりでした。以来、およそ40年にわたる京セラ、京都賞、盛和塾、京都サンガの撮影に携わってきました。
当時、新聞雑誌で登場される機会が多く、「エネルギッシュな先端産業の若きリーダー」というイメージのあった稲盛さんですが、延暦寺の座主 故山田恵諦さんとの対談で初めて身近に撮影をさせていただいたとき、経営者というよりも研究者か、禅でいう求道者(ぐどうしゃ)のような清潔な感じを受けました。

1992年からは、機関誌「盛和塾」(盛和塾発刊の冊子)用に、何度か京セラのゲストハウス「和輪庵」で撮影をさせていただきました。
インタビュー、座談会と毎回話が進むにつれ力の入った表情はゆたかな人間力にあふれ魅力的でした。写真的にはアクティブな方が印象的なので、そのようなチャンスを狙っていましたが、そんな中、遠くを見つめられるような一瞬があり、まさに『ある少年の夢』を感じました。私自身が一番好きな1枚です。

稲盛さんを撮影させていただいてからは、早30年を数えます。一番多く撮影の機会を与えていただいたのは「盛和塾」でした。撮り始めたころは500名ほどの塾生数でしたが、やがて15,000名となり、塾生さんに語りかける表情、今まで経験したことのない会場の熱気など、この雰囲気をこの場に居ない多くの人に写真で伝えたい、さらに、時代を超え後々までこの偉人の姿を伝えられるような究極の一枚を撮りたい。それが同時代に生を受けたカメラマンの使命ではないか。非力を感じながらも真剣勝負で私はレンズを向けてきました。
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*『ある少年の夢』(加藤勝美著 出版文化社刊):稲盛について書かれた初の書籍です。当Facebook で1月20日に関連