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経営のこころ 会社を伸ばすリーダーシップ

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『経営のこころ 会社を伸ばすリーダーシップ』(PHP研究所)から、稲盛の言葉をご紹介いたします。

半世紀にわたる自分の来し方をふり返るとき、集団のリーダーとして、いたらない自分が少しでも立派な人間になるよう心を高めるべく、懸命に努めてきた道のりであったように思います。
実は、私の手帳は毎年替わるのですが、電話帳のところだけは昔から替わっていません。そこには、ずっと昔のことで、もう誰が言ったものかよく分からないのですが、ある言葉が書き留められていて、折に触れて読み返し、その意味をかみしめています。
それは、次のようなものです。
「よく言う者はあれども、よく為す者は少なく。よく為す者はあれども、よく久しゅうする者は少なく。久しゅうして、人いよいよ敬を加うるは至って稀に候」

よく言う者、つまり評論家のように経営について大言壮語する人はいくらでもいます。しかし、よく為す者、つまり実際に会社を立派に成長させられる者は少ない。また、よしんば会社を発展させることができたとしても、それを久しくする者、長く続けられる者はさらに少ない。そして、繁栄を長く続けていくなかで、いよいよ敬を加うる、つまり尊敬されるような人間になる経営者はきわめて稀だというのです。
まさにこういうことを、私自身、大事にしていこうと強く思ったから、わざわざ書き留めておいたのだと思います。
(P30に掲載、出典は2013年3月18日 日本航空第11回「リーダー勉強会」)