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経営のこころ 会社を伸ばすリーダーシップ

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『経営のこころ 会社を伸ばすリーダーシップ』(PHP研究所)から、稲盛の言葉をご紹介いたします。

経営において大事なのは、従業員をいかに掌握するかです。これが経営の根幹をなすのです。気がついてみたら、自分だけが一生懸命頑張っていて、従業員の心をつかまえていなかった。いまさらそうなってからでは遅いのかもしれませんが、その改善に努めるということが皆さんにもあるはずです。調子のいいときは、誰でもついてくるのです。給料も出してあげられますし、調子のいいことも言えますから誰でもついてきますが、やはりいちばん大事なのは、業績が悪くなったときに支えてくれる人間なのです。(中略)

家族のような関係を従業員に求めようと思うと、まず私自身が従業員に対して家族のような愛情を持って接しなければなりません。一方的に「私を守ってくれ」と言っても、守ってくれるはずがありません。私自身が親兄弟に接するのと同じような気持ちで十分に接しなければ、従業員だってそうなってくれるはずがないと思ったわけです。(中略)

この会社は誰のものでもありません。「皆さんと一緒に、私を含めてみんなが物心両面で幸せになるためにつくった会社ですから、私はこの集団全体のために死にものぐるいで頑張ります。だから皆さんも、この集団のために死にものぐるいで頑張ってください」。私はそう訴えて、率先垂範、必死で仕事を進めていったのです。
(P43~46に掲載、出典は1995年4月26日 「盛和塾」千葉開塾式)