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愛馬の日(稲盛と馬にまつわる物語)
9月23日秋分の日は「愛馬の日」でもあります。戦前は4月でしたが、現在は動物愛護週間に合わせて秋分の日になりました。「愛馬」と言えば、京セラ創業の頃から稲盛が好んで歌った歌の一つに「愛馬進軍歌」があります。
「くにを出てから幾月ぞ/ともに死ぬ気でこの馬と/攻めて進んだ山や河/取った手綱に血が通う/(中略)馬よぐっすり眠れたか/明日の戦は手強いぞ/弾丸の雨降る濁流を/お前たよりに乗り切って/つとめ果たしたあの時は/泣いて秣(まぐさ)を食わしたぞ(一部抜粋)」作詞:久保井信人・作曲:新城正一
この歌は生死の境できびしい戦いをする兵士とその愛馬の心の通い合いを歌った歌ですが、稲盛はその心の通い合う姿を、創業当時の京セラ社員との精神的つながりに重ね合わせて、互いが互いのことを思いやり、相手のために精一杯尽くし合うような、そういう人間関係のある会社でありたいと願いながら、この歌を歌ったのだそうです。
中には「自分は馬ではない」という声も聞こえてきそうですが、そうした細かなことは抜きにして、死線を彷徨う修羅場にあっても、仲間への思いやりや労りを忘れない強固な仲間意識や友情などという人間同士の心の絆というものが、この歌に描かれています。兵士と馬の姿に仮託して、明日をも知れない苦しい創業期をともに必死でがんばり、困難を乗り越えていこうとする当時の社員への万感の思いをこめて歌ったことでしょう。