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経営のこころ 会社を伸ばすリーダーシップ

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『経営のこころ 会社を伸ばすリーダーシップ』(PHP研究所)から、稲盛の言葉をご紹介いたします。

経営にあたっていますと、毎日毎日いろいろな問題が生じてきます。それが私の耳に入ってきたときにはすでに相当紛糾していますから、それを解決できる人というのは非常に少ないのです。
相当紛糾してさまざまな現象が起こっているので、解決するには、起こっている現象をすべて分析、解析し、次に打つべき手を考えなければなりません。しかし問題が紛糾して縺(もつ)れた糸のようになっていますから、それを解くだけでもたいへんなわけです。なかなか解けないため、さらに紛糾していって、解決が遠のいてしまうケースがたいへん多いのです。

そのなかで、それを簡単に解いて、問題を解決する人がたまにいます。そういう人はどのように解いていくかというと、縺れた状態で解こうとするのではなく、それがなぜ起こったかをずっと遡っていく。つまり、なぜ現状がこうなってきたのか、どこからスタートしたのかを、一歩ずつ元へ返って考えるのです。すると、それがどう変遷してきたかということが分かってきます。

私はよく「スタートに戻れ」と言うのですが、そうやって現象を見ていくと、縺れていった状態が見えてきます。最初は、事は簡単なのです。元へ戻る、つまり原点です。原理原則に戻って単純化する。元へ返れば単純ですから、単純なことをベースにして考えていくのです。
(P79~80に掲載、出典は1987年9月12日「京都盛友塾」塾長例会)