Facebookアーカイブ

稲盛和夫の生涯②「心のあり方の大切さに気付かされた肺浸潤」

20221114.jpg

1944年12歳の冬、稲盛は医師から肺浸潤を告げられます。親戚2人が結核で亡くなっていたため、「次は自分の番か」と死への不安を感じながら病床に臥せっていたとき、近所の奥さんが「これを読んでごらんなさい。きっとためになることが書いてあるから」と「生長の家」創始者・谷口雅春氏の著書『生命の實相』を持ってきてくれました。

その本に書かれていた「心に描いたものがそのまま現象となって現れる」という内容に、稲盛は強い衝撃を受けます。同時に思い当たることがあったのです。

「結核の叔父がいる離れの前を通るとき、自分は感染が怖くていつも鼻をつまんで通り抜けていた。一方、兄は『そんな簡単にうつるものか』と言い、父は結核末期の弟(叔父)の看病をしていた。それなのに、誰よりも注意していた自分だけが病にかかってしまった。逃げようとしていた自分がそういう目に遭うのは、結核から逃れたいと思う心が災いを呼び込んでしまったのではないか。弟の面倒を徹底的に見るという大きな愛に包まれた父には、結核菌はとりつきもしないのだ」。

子どもながらに猛省するとともに、このことから、人間にとっていかに心のありようが大事かを考えるようになったのです。