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経営のこころ 会社を伸ばすリーダーシップ
『経営のこころ 会社を伸ばすリーダーシップ』(PHP研究所)から、稲盛の言葉をご紹介いたします。
経営の経験も知識もなかった私は「全従業員の物心両面の幸福を追求する」ことを目的としたために、従業員に忌憚なく話をすることができました。「この会社は我々ここに住む全従業員の幸せのために存在するのだから、必死で頑張って会社を立派にしていきましょう。そしてみんなで幸せになっていきましょう」と。
全従業員が幸せになって、それが継続し、会社が永遠に発展していくことができれば、結果的に株主価値を高めることにつながっていきます。ですから株主価値が最初にあるわけではなく、中に住む従業員が幸せになっていくことが第一義であるべきなのです。従業員が本当に気持ちよく働ける環境をつくっていけば、必然的に株主のためにもなっていくのです。
そうであれば、何も「株主価値を最大限に」とか「時価総額を最大に」ということを最初から謳う必要はありません。従業員が喜び満足する、そしてそれが永遠に続いていく会社をつくっていくことがいちばん大事だと思います。私はそのことが、従業員が経営の理念、目的に心から賛同し、協力してくれる会社を築くことができた最大の要因であると確信しています。
(P149に掲載、出典は2003年8月25日 日経エグゼグティブフォーラム2003)