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シリーズ「稲盛和夫の著書」 第3回『生き方』

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第3回は、『生き方 -人間として一番大切なこと-』(2004年7月 サンマーク出版)です。

この本は、プロローグに「人間の『生き方』というものを真正面からとらえ、根幹から見据えて、思うところを忌憚なく説いてみたい」と自身が記したように、稲盛が人として生きていく上で、最も大切だと考えることについて述べたものです。多忙な中ではありましたが、稲盛は精力的に本作りに取り組み、原稿が完成した瞬間、「この本には、自分が言いたいことを全て盛り込むことができた!」と小躍りしたほどでした。

「俗世間に生き、さまざまな苦楽を味わい、幸不幸の波に洗われながらも、やがて息絶えるその日まで、倦まず弛まず一生懸命生きていく。そのプロセスそのものを磨き砂として、おのれの人間性を高め、精神を修養し、この世にやってきたときよりも高い次元の魂をもってこの世を去っていく。私はこのことより他に、人間が生きる目的はないと思うのです」(『生き方』16頁から)

このようなストイックな人生観にもとづいた、経営者による人生論でありましたが、発売と同時にベストセラーとなったばかりか、その後も版を重ね、現在では147刷150万部を数えています。また19言語に翻訳され、中国を中心にグローバルで600万部、総計750万部を数える大ベストセラーとなっています。

多くのアスリートの心も捉え、野球ではエンゼルスの大谷翔平選手、サムライジャパンの小久保裕紀前監督、サッカーではフランクフルトの長谷部誠選手、FC東京の長友佑都選手、また映画界ではアカデミー賞俳優で女優アンジェリーナ・ジョリーの父親でもある俳優ジョン・ヴォイトも英語版の熱烈な愛読者です。

現在、再びベストセラーとなっていますが、若い女性読者が増えています。稲盛逝去の報に接し、改めてその考え方に触れたいと思う方々がワイドレンジに広がっています。