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稲盛和夫の誕生日秘話

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1月30日は稲盛和夫の誕生日です。
ここでは、稲盛の生誕について少し振り返ってみたいと思います。

1932年1月21日、稲盛は父畩市(けさいち)、母キミの次男として鹿児島県薬師町(現在の城西:じょうせい)で誕生する――。「さっきと日にちが違う?」と思われた方も多いことでしょう。このことは稲盛家の家業に理由がありました。
戦前、稲盛の実家は「稲盛調進堂」という屋号で印刷業と紙袋製造を営んでいました。稲盛の自伝『ガキの自叙伝』では次のように語られています。

「『稲盛調進堂』の看板を出したころにはだいぶ繁盛していた。といっても、安い手間賃のこと、稼ぎは知れている。父は一家が養えればそれで十分だった。手広くより、手堅くが父の身上だ。利益なき繁忙というわけで、日曜も返上で朝から機械がうなりをあげていた」

近所の方に手伝ってもらいながらも夜遅くまで仕事をする父と、家事一切はもちろん、近所の方の仕事の割り振りまでも仕切っていた母。毎日精一杯働いていたふたりは役所への届け出が遅れ、稲盛の戸籍上の登録が1月30日となったのです。
両親としてはわが子が愛おしく、すぐにでも手続きをしたかったことでしょう。しかし、それさえも難しいほど稲盛調進堂が繁盛していたことが、この一節からも伺うことができます。

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写真
1枚目:幼少時代兄と共に(左が稲盛)
2枚目:両親(左からキミ、畩市)