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経営のこころ 会社を伸ばすリーダーシップ

『経営のこころ 会社を伸ばすリーダーシップ』(PHP研究所)から、稲盛の言葉をご紹介いたします。
まずあなたも私も一緒にこの会社を立派にし、その中で安心して生活できるようにしましょう、というコンセンサスを持つことが大事です。そのようなコンセンサスを持ったうえで、みんなで切磋琢磨する。部長だから、課長だからというのではなく、一介の従業員も含めて、みんなで立派な会社をつくる。誰もが「私たちの会社だ」と言って、一生懸命働いてくれる、そんな雰囲気を職場につくらなければいけません。
京セラはそうした思想を根幹としているのです。かりに上司が理不尽な叱り方をしたり、ふんぞり返っているようなところを見せれば、「ここはあなただけの会社ではありません。私の会社でもあるのです。そんな態度で仕事ができるのですか。あなたのような上司なら、我々には必要ありません」と、部下が上司に対して文句を言うケースもままあります。大企業では上司が大きな権限を持っていて、上司に逆らうと左遷させられるようなこともあると聞きますが、京セラの場合は下が上を突き上げる。従業員一人ひとりが全体の幸せを願っているということです。
そうした根幹となるコンセンサスが全従業員に伝わっていくと、みんなが自分の会社を自分でよくしていこうと考えるようになっていきます。まず、会社の経営理念、経営の目的をはっきりさせることがいちばん大事だと思います。(P158-159に掲載、出典は1990年8月8日 エルコ幹部社員講話)
写真: 京セラによるエルコ社連結子会社化の合同記者会見
(奥列右から3人目が稲盛 1989年8月29日)