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稲盛と第三次行革審

2月20日は「旅券の日」。1878年(明治11年)2月20日に「海外旅券規則」が制定された際に、法令上で初めて「旅券」という言葉が使われたことを記念して、この日が「旅券の日」とされたそうです。この「旅券」にまつわる稲盛のエピソードをご紹介します。
現在の旅券(パスポート)は大人であれば最長10年の有効期間がありますが、以前は5年が上限でした。この5年の有効期間が10年に延長されるのに、稲盛が関わっていました。
1990年に発足した第三次臨時行政改革推進審議会(第三次行革審)において、稲盛は請われて「世界の中の日本部会」部会長に就任し、当時、日本に強く求められるようになっていた国際的貢献を果たすことのできる国際化に対応した行政の実現に向けて、多忙な中、27名の委員とともに50回以上にもわたる検討会を重ね提言をまとめました。
提言には対外政策の基本理念や政府開発援助、地球環境保全などに関する行政のあり方の根本にかかわるものに加え、外国人技能実習制度の創設、パスポートの有効期間の10年への延長、優良運転者の運転免許証の有効期間を5年への延長、車検の6カ月点検廃止、行政文書のA4判化など、国民生活に身近でその利便性を向上させる改革提案も盛り込まれ、今日、実現に至っています。
天下国家の問題を大所高所から論じながらも、同時に国民一人ひとりの生活のあり方にも目配りを忘れない稲盛の庶民感覚が表れていると言えるのではないでしょうか。