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シリーズ 書籍『熱くなれ』紹介①

書籍『熱くなれ』(講談社)が好評です!稲盛の新しい一面を秘蔵写真、本人の発言、そして13人の証言から浮き彫りにしていく本書が、発売開始以来話題を呼んでいます。
稲盛に長年接した人間でさえ心打ち震える本書を、一人でも多くの方に手に取っていただきたいと願い、今後数回にわたりその内容をお伝えしていきます。
第1回は、表紙および本文中にも使われた写真のご紹介です。
いかがでしょうか。右下でマイクを握り、熱弁を振るっているのが稲盛(当時50歳)です。十重二十重に周囲を取り囲み、真剣な面持ちで話に聞き入っているのが、京セラの役員、幹部たちです。この日の午後、年度経営方針を稲盛が発表する会があり、示された方針を共有し、参加者自らの決意とするための場が決起コンパです。
この年、稲盛は3時間22分にわたり、経営方針を述べています。売上目標など数字の話はわずか。ほとんどの時間を、「高い経営目標を達成するために必要な人間はいかにあるべきか」について時間を割いています。
写真は、その長時間にわたる経営方針発表の後に開催された、決起コンパでの一瞬をとらえたものなのですが、左上の時計に着目下さい。読み取りにくいのですが、実は夜の9時50分を指しています。
つまり稲盛はこの日、午後に3時間以上にわたり熱弁を振るった後、7時くらいから始まったコンパが3時間を経過しようとするときでも、いつ終わるともしれない熱気あふれる語りを展開しているのです。稲盛の話に長時間聞き入る幹部たちも幹部たちです。まさに「熱くなれ」と語り続けた稲盛と「熱く」なってしまった集団の「魂の瞬間」をとらえた写真が表紙に使われているのです。
この年以降、稲盛は京セラの多角化、国際化を実現し、大企業への道を確実にするとともに、第二電電(現KDDI)を新設、電気通信事業に進出します。また稲盛財団を設立し、京都賞を創設した他、盛友塾(後の盛和塾)を開設し、経営者育成に尽力します。
本書『熱くなれ』は、そんな稲盛を多面的に知ることができる、今までにない書籍です。ぜひ店頭で手に取っていただき、稲盛の熱い魂に触れてみていただければ幸いです。
次回は、本文から引用し、ご紹介させていただきます。

写真
左上:書影
右:1982年1月13日 京セラ経営方針発表会決起コンパ