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稲盛ゆかりの地を巡る-「鹿児島市 磯地区」

稲盛ゆかりの地を巡る。今回は、鹿児島市の東側海岸沿いの磯地区をご紹介します。
薩摩藩島津家別邸でもあった景勝地「仙巌園」があるこの地は、桜島が美しく見える観光地としても有名です。稲盛も、海外から鹿児島を訪れたゲストをもてなす際には、この仙巌園を案内して、磯地区の名物である「両棒(ぢゃんぼ)餅」をごちそうすることがあったといいます。
両棒餅とは、鹿児島県で古くから親しまれている郷土菓子で、武士が差す大小二本の両刀をイメージした両棒(リャンボウ→ヂャンボ)を指した焼餅に甘辛の醤油ダレで味付けしたものです。仙巌園近くの磯海水浴場に沿って、明治から続く両棒餅の老舗店が並んでいます。稲盛は、少年時代に紙袋の行商をしていた際、鹿児島市内をくまなく営業していましたが、当時を回顧して「東の方は磯公園の角のところのぢゃんぼ屋まで行きました」と発言しています。
ちなみに「磯公園」というのは、仙巌園の旧名称で、鹿児島市が管理していた1949年(昭和24年)から1957年(昭和32年)までの間に使われていたもので、稲盛が17歳~25歳の頃のことでした。その後、管理が島津家の島津興業に移ると、「公園」の名称が使えなくなったため「磯庭園」となり、1995年には正式名称として「仙巌園」と定め、現在に至っています。
磯地区には、このほかにも江戸末期から明治の近代化をけん引した薩摩藩の西洋式工場群を紹介した博物館、尚古集成館や、かつて稲盛も少年時代に参加した桜島・錦江湾横断遠泳大会の会場である磯海水浴場もあります。この夏は稲盛が愛した桜島の風景、両棒餅の味を楽しむ鹿児島の旅はいかがでしょう。

写真:
1枚目 仙巌園 庭園と桜島
2枚目 両棒餅(イメ―ジ)
写真提供:2枚とも 株式会社島津興業(仙巌園)