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『経営12カ条 経営者として貫くべきこと』②

『経営12カ条 経営者として貫くべきこと』(日経BP)から、稲盛の言葉をご紹介いたします。
ビジョン、つまり会社の目標は、夢あふれるものでなければなりません。と同時に、それを実現していくための計画を具体的に立てていかなければなりません。
たとえば、自分の会社の年間売上が10億円だったとしましょう。それを「来年は12億円にしたい」というふうに具体的な数字で目標を明確に描くことが必要です。それも単に売上額だけではなく、利益額まで含めた具体的な目標を立てていかなければなりません。
大切なことは、それが、「空間的、時間的にも明確なものでなければならない」ということです。会社全体の漠とした数字ではなく、組織ごとにブレークダウンして分解された目標にする。現場の最小単位組織に至るまで明確な目標数字があり、さらにはひとりひとりの社員までもが明確な指針の下、具体的な目標を持たなければなりません。
また、1年間を通した通期の目標だけでなく、「月次の目標」としても明確に設定することが必要です。月々の目標が明確になれば、日々の目標も自ずと見えてきます。従業員ひとりひとりが日々、自分の役割を明確に理解し、それを果たせるような目標を設定しなければならないのです。
それぞれの従業員が着実に役割を果たし、それぞれの組織としても目標を達成していくことで、全社の目標も達成されます。また、日々の目標を達成してこそ、その積み重ねである月間や年間の経営目標の達成ももたらされます。
それは、目標が明確であることによって、従業員の総力を結集することが可能となるからです。目標が明確でなく、会社がどの方向に向かうのかを経営者が指し示せなければ、従業員はそれぞれ勝手な方向に向かい、持てる力が分散されてしまいます。これでは、組織としての力を発揮することはできません。
(『経営12カ条』「第2条 具体的な目標を立てる」p.51-53)