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第3回稲盛和夫研究会・第8回アメーバ経営学術研究会シンポジウム開催

稲盛和夫1周忌を迎えた直後の8月26日(土)、京セラ本社20階で第3回稲盛和夫研究会・第8回アメーバ経営学術研究会シンポジウムが開催され、会場およびオンラインで合わせて282名が参加しました。
当日は、「稲盛和夫の経営理念とアメーバ経営――その起源と現代的意義」というテーマのもと、神戸大学の三矢裕教授からは「アメーバ経営の現代的意義」として、(1)製造業のみならずサービス業など様々な事業に適合する経営管理システムであること、(2)短期的な収益性と長期的な成長性が両立する「両利き経営」を実現していること(京セラの機械工具事業本部の事例研究を通じて)、(3)適切な評価によってアメーバ経営とフィロソフィの両輪(相互作用)はワークエンゲージメントを高めることにつながること、の3点を提起されました。
また、一橋大学の田中一弘先生からは、稲盛哲学のベースにある「人間として何が正しいのか」という判断基準は「先義後利」(義を先にし、利を後にする)の考え方に通じるものであり、その信念を貫くにあたって稲盛は「宇宙の意志と調和する心」を経営者としての自らの拠りどころにしていたことを豊富な文献を通じて論じられました。
続いて、京セラコミュニケーションシステムからアメーバ経営導入企業に関する事例発表と、京セラからアメーバ経営の起源に関する資料紹介が行われました。
パネルディスカッションでは、コーディネーターを務める京都大学の澤邉紀生教授から、混迷を極める現代社会において正しい意志決定を行うにあたって、理念(フィロソフィ)に支えられたアメーバ経営によって育成されるリーダーのあり方は、今後さらに大きな意味を持つようになると締めくくられました。
なお、本シンポジウムの内容については、来年(2024年)3月発行の学術雑誌『稲盛和夫研究』第3号に掲載される予定です。
写真
1枚目:会場となった京セラ本社20Fホール
2枚目:三矢裕神戸大学教授による研究報告
3枚目:田中一弘一橋大学大学院教授による研究報告
4枚目:パネルディスカッション