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稲盛和夫のエピソード 取引先にも良き哲学や思想を求めた稲盛

稲盛が会社を全社員の運命共同体と考え、社員には運命を共にできる同志としての信頼するに足る哲学や思想を持つことを求め続けたことはよく知られています。しかし、それは社員だけにとどまらず、取引先に対しても同じでした。
昭和47年(1972年)9月1日に京セラは東証2部に上場していますが、その時、幹事証券会社となった大和証券株式会社で京セラ上場を担当し、後に京セラに入社した中山孝司さんは、初めて京セラを訪問して稲盛に会った時のことを後年こう述懐しています。
「初対面の挨拶が終わるか終わらないうちに、稲盛さんからいきなり、大和証券のフィロソフィは何ですか、と尋ねられて驚いた」「今後取引するかもしれない大和証券がどのような哲学を持った会社なのかということを問われたのだと理解し、大きな衝撃を受けた」
そのように稲盛は、取引先であっても、信頼し長く取引を続けるに足る立派な哲学や思想を持った会社であってほしいと考えていました。社員、取引先を問わず、稲盛は自身と事業を共にする者にはすべて同じように高い理念や志、強い思いを共有してもらい、そうした相互の信頼関係の中で存分にビジネスを行っていきたいと願いながら、事業を行ってきたのです。