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稲盛和夫の好きな「丸鍋」

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今年の中秋の名月は929日。月といえば「月とすっぽん」のことわざがありますが、この日は年間でもっともすっぽんに脂がのっておいしいとされ「すっぽんの日」と言うそうです。このすっぽん鍋、関西では甲羅の形から「丸鍋」とも呼ばれています。

「稲盛がすっぽん好きであったとは特に聞いたことがない」と、秘書を始め近くにいたスタッフは言いますが、実は京都にある「本家たん熊」の丸鍋はお気に入りだったようです。お店の方によると、稲盛が「本家たん熊」を訪れるようになったのは1970年代の初めごろ。ワコール創業者の塚本幸一氏に連れられての訪問をきっかけに、多い時には2~3カ月に一度訪れていたこともあったようです。

この「丸鍋」、稲盛はよほどのお気に入りだったのか、鹿児島の両親や恩師も食事に招いたほどで、自著『生き方』発刊後にはお世話になったサンマーク出版社の方々を招待したこともありました。そして、2004年には「うまいもん」という新聞コーナーで、稲盛がおいしそうに丸鍋を食する様子が掲載されたこともありました。。

「京懐石の一品として、飛び抜けて主張せず、他の料理と融合する。それでいて水くさくない味が秘伝」の「本家たん熊」の丸鍋。稲盛が気に入っていたのは、その味はもちろんですが、ひょっとしたら「かみついたら雷が鳴るまで離さない」というすっぽんの気質でもあったのかもしれません。京セラが上場を果たした当時、先行するライバル企業にくらいつき、追い抜くのだと決意した稲盛の心情には、このすっぽんのような執念が感じられます。

残暑厳しい折、温かなすっぽん鍋で心身を整え気力を充実させてみてはいかがでしょう。

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写真
1枚目:本家たん熊の丸鍋(すっぽん鍋)
2枚目:お店の玄関に飾られている稲盛直筆の色紙