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『経営12カ条 経営者として貫くべきこと』⑦
『経営12カ条 経営者として貫くべきこと』(日経BP)から、稲盛の言葉をご紹介いたします。
高い目標を設定し、それにチャレンジすべきである。私はそう考えていますが、あまりに目標が高く、「一昨年もダメ、去年もダメ、3年目の今年も未達成」という状態が続けば、経営目標も空念仏になってしまい、やがて誰も真剣に受け取ろうとはしなくなってしまいます。
かといって、前年にわずかばかり上乗せしたような経営目標を続けていれば、従業員の士気を高めていくことができず、会社はダイナミズムを失ってしまいます。
あまり多用してはならないと思いますが、私は京セラがまだ小さいとき、次のようなことを行ったことがあります。
「月間売上9億円を目指そう。その目標を達成できたら、全社員を香港に連れていく。できなかったら全員で、禅寺で修行だ」ということを、目標を達成できるかどうかという瀬戸際のときに従業員に宣言したのです。
すると皆が猛烈に頑張り、その目標を達成してくれました。全社員で飛行機をチャーターして香港に2泊3日の旅行に出かけ、従業員との絆をさらに強固にしたこともありました。
「目標を達成せよ」と単に命ずるだけでなく、従業員の気持ちをリフレッシュさせ、モチベートさせながら、経営目標を従業員と共有し、その達成を目指すための、さまざまな創意工夫がなければならないと思います。
もちろん、大切なのは手練手管ではなく、「何としても目標を達成したい」という経営者の必死の思いをあらゆる機会を通じて従業員に率直に投げかけていくことです。
(『経営12カ条』「第7条 経営は強い意志で決まる」p.148-149)