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稲盛和夫研究会、鹿児島ゆかりの地を巡る

稲盛の経営活動、経営哲学ならびにアーカイブズ資料を研究する「稲盛和夫研究会」は10月7日、鹿児島大学にて第11回研究会を開催しました。活発な議論を終えた午後、一同は稲盛が生まれ育った鹿児島で、稲盛の技術力、倫理観、思想のベースとなった鹿児島ゆかりの地巡りを行いました。
※「稲盛和夫研究会」の詳細はこちらから https://www.inamori-sg.org/
【鹿児島ゆかりの地を巡る 主なスケジュール】
(研究会開始前:郡元キャンパスの学習交流プラザ)
(研究会終了後:稲盛会館・キミ&ケサホール)
12:45 鹿児島市立西田小学校
13:10 甲突川と自宅(車窓から)
13:30 城山公園展望台
14:10 西郷南洲顕彰館・南洲神社
14:40 仙巌園、磯海岸
■鹿児島大学
-技術者としての稲盛の原点を知る-
鹿児島大学工学部で稲盛は有機化学を専攻していましたが、深刻化する不況の中、教授からの紹介でなんとか就職が決まったのは、無機化学の陶磁器製碍子をつくる会社でした。そこで、急遽無機化学を学ぶこととなりました。
「入来粘土の基礎的研究」と題した卒業論文を書き上げるまでの半年間、特に実験中の稲盛の集中力は猛烈だったといいます。しかし、専攻を途中で替えるという大きな試練こそが、その後の稲盛を京セラ創業へと導き、セラミック界発展の一助を担うことへ繋げるのです。
1994年、鹿児島大学工学部創立50周年記念に、稲盛は「稲盛記念会館」を寄贈。現在郡元キャンパスには稲盛の名が付く施設が3つあります。
■鹿児島市立西田小学校、自彊学舎~城山公園展望台
-両親、学校の先生から教わった倫理観、判断基準-
一行は鹿児島第一中学校(現・県立鶴丸高校)、私立鹿児島中等学校(現・津曲学院鹿児島高校)を車窓から眺め、自彊学舎に立ち寄った後、子どもの頃に遊んだ甲突川を渡り、城山公園展望台へ。稲盛が大好きだった城山から眺める桜島の風景を堪能しました。
幼少の頃稲盛が両親から教わった「やっていいこと、悪いこと」、また鹿児島特有の郷中教育(自彊学舎)で学んだ「負けるな、嘘を言うな、弱い者をいじめるな」という教えは、その後「人間として正しいかどうか」というぶれることのない判断基準を形成する大きな要素となっています。
■南洲神社、西郷南洲顕彰館、仙巌園
-思想の源流、社是「敬天愛人」の源流-
南洲神社と西郷南洲顕彰館(写真4枚目)を訪問した後は、鹿児島市高等学校(現・市立玉龍高校)に立ち寄り、最後は薩摩藩主島津家の別邸「仙巌園」へ。
鹿児島生まれの稲盛にとって、西郷隆盛は物心ついた頃から親しんできた人物でした。西郷を讃える地域の記念行事や両親の教えなど、稲盛は幼少期から西郷の人物や思想に触れ、人間としての考え方、生き方の基礎を教えてくれた心の師でした。
殊に、西郷の言葉である「敬天愛人」は京セラの社是とし、「天に恥じることのないような正しい判断をし、社員を慈しみ、大事にしていくこと」に努めてきました。
一行は研究会前日に京セラ国分工場を見学し、その日はホテル京セラに宿泊。翌日、鹿児島大学で稲盛和夫研究会を行い、そして午後は稲盛の心と体を育てた鹿児島のゆかりの地を巡るという、まさに稲盛づくしの2日間を体験しました。

写真
1枚目:学習交流プラザ前にある稲盛の立像
2枚目:稲盛記念館内
3枚目:城山からのぞむ桜島
4枚目:西郷南洲顕彰館