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寄稿⑪ 「ゴルフ雑感」(『センチュリー・シガ・ゴルフ・クラブ10周年記念誌』1985年)

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稲盛は生涯を通じて、従業員の幸福の実現のため、経営に全身全霊を傾けました。
そうした気の休まる時間がない中で、世の喧騒から離れ、自然に囲まれた場所で親しい友人・知人と心を通わせ、明日への英気を養うのが、稲盛にとってのゴルフでした。

1975年に京都の財界を中心として開場した「センチュリー・シガ・ゴルフ・クラブ(現・センチュリーゴルフクラブ)」の10周年にあたり、理事を務める稲盛はゴルフを自らの人生に重ね合わせながら、次のように寄稿に記しています。

「人は大きな失敗をしたりすると、とかくもう自分はこれでお仕舞いだとネガティブに人生を考えがちですが、私はどんな失敗・挫折をしても、そこでくじけたり、周りの人を見て羨んだりひがんだりすることなく、いつも素晴らしい未来のあることを信じ努力を怠らないよう心がけてきたつもりです。

(中略)むしろ失敗を糧として地道な努力を続ければ、いつかきっと才能は開花するのだとさとし、温かく長い目で見守ってやることが大切なのではないかと私は思っています。

話は脱線しましたが、ゴルフをする上でも同じような事が言えるのではないでしょうか。
プレーをしていても、我々素人は、常にナイスショットやナイスパットで好スコアというわけにはなかなか参りません。ミスショットをしたり、OBを出したり、バンカーに入ったり等々の連続です。しかしそんな失敗の連続でも決してヤケになったりあきらめたりすることなく、最後まで頑張ってこそ、上達の道が開けるのであり、またそれが一緒にプレーしている人への礼儀でもあると思うのです。

かく言う私も、失敗を繰り返しながらも、いつかパーフェクトなスコアを出すことを夢みつつ頑張っているプレーヤーの一人なのです」

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写真3枚目:ゴルフを楽しむ稲盛(1985年2月3日)