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稲盛と卒業③  定年退職者を労う

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定年退職の日は企業によってさまざまですが、京セラでは60歳を迎えた年の期末3月31日となっています。4月には各工場、事業所で創立記念式典が開催されますが、その時に定年退職者の表彰と慰労のための昼食会が開催されてきました。

企業規模が大きくなってからは、稲盛自身がすべての開催地を回って慰労会に出席することはできず、本社だけになりましたが、創立記念式典の表彰式では、長く京セラの同志として一緒にがんばってくれた社員一人ひとりと握手をして言葉を交わし、昼食会の席上では、それぞれの方とのエピソードなどに触れながらその労苦を労うとともに、「京セラがこれからも永遠に発展し続けられるよう、われわれ現役の者を叱咤激励して見守ってくださいね」と暖かく声をかけて回っていました。

この定年退職者慰労会の始まった当初、京セラ創業まもない頃から苦労をともにしてきた社員の引退は、稲盛にとってわが身を削られるようにも感じられたのかもしれません。しかし、送られる社員にとっては、この上ない幸せな卒業式だったことでしょう。
このような稲盛の思いは代々の京セラ役員、工場長などに受け継がれ、定年退職者慰労会は少し形を変えながらも、毎年各地で行われています。

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1枚目:創立記念式典 表彰の舞台上で握手を交わす稲盛と定年退職者
2枚目:退職する(幹部)社員の慰労昼食会にて