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社員が語るエピソード「稲盛名誉会長との思い出」

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8月に稲盛の三回忌を迎え、多くの方から在りし日の稲盛と直接交流があった人のエピソードを聞いて、その人となりをより身近に感じたい、というお声を頂戴するようになりました。

そこで、今月から数回にわたり、京セラグループ社員が語る稲盛とのエピソードをご紹介致します。

※このエピソードは2年前、社内報特別号掲載用として社員から寄せられた思い出のエピソードです。表現、言葉づかい等は出来る限りオリジナルのままにしています。

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確か2012年頃だったと思います。
東京方面に向かう京都駅の新幹線ホームで、稲盛名誉会長をお見かけしました。
私は上司と一緒に出張に向かう途中で、真夏の暑い日の午後でしたので二人ともジャケットを脱いでいましたが、名誉会長は上下スーツ姿に、きちっとネクタイを締め、新幹線の到着を待っておられる様子でした。その姿を見て、手に持っていたジャケットをあわてて着用したことを覚えています。

稲盛名誉会長の近くには秘書の方がおられました。上司は秘書と面識があったため挨拶すると、秘書が名誉会長に「KCCSの社員です」と伝えてくれました。すると名誉会長は穏やかな笑みをうかべてこちらをご覧になり、そして私たち二人に向かって両手を合わせて拝むような格好で会釈をされたのです。

びっくりしました。名誉会長が両手を合わせて人と挨拶される姿は、写真や映像などで見たことはありましたが、誰に対してもこのようにあたたかいやりとりをされるのだと。

私は新幹線に乗った後、きちんと姿勢を正して着席し、社章のついたジャケットを脱ぐことはありませんでした。稲盛名誉会長と偶然同じ新幹線に乗り合わせたことと、名誉会長の所作から京セラグループの社員としての自覚が高まったからだと思います。

京セラコミュニケーションシステム株式会社
コンサルティング事業本部 社員

写真:新幹線ホームにて(2009)