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稲盛ゆかりの地を巡る-「京都市・旧市長公舎迎賓館」

稲盛ゆかりの地を巡る。今回は稲盛が結婚式を挙げた会場、旧京都市長公舎 迎賓館をご紹介します。
「1958年(昭和33年)12月、松風工業を退社した。その翌日、同じ特磁課にいた須永朝子(すながあさこ)と結婚した。会社に寝泊まりしていたころ、机の上に弁当が置いてあった。ふだんの貧しい昼飯と違って、おかずたっぷりの豪勢な中身に感動した。一粒残さず片づけると、次の日もある。だれと詮索することもなく毎日ちょうだいしているうち、彼女の差し入れとわかった。好意でも何でもなく、あまりに悲惨な生活ぶりにただ同情しただけというが、その気遣いはありがたい。
つい調子に乗って家でもごちそうになり、そのまま食事につられて一緒になってしまった。京都・東山の蹴上(けあげ)にあった京都市の施設で式を挙げ、ケーキ、コーヒーの披露宴という質素なものだった」(稲盛和夫 著『ガキの自叙伝』より)
松風工業を辞め京セラの設立を翌年に控えた稲盛が、まだ会社がどうなるかもわからない状況で申し込んだ結婚でしたが、「いかにそこに熱意があり、誠心があふれ、人を感動させる力があったかがうかがわれる」と当時の上司だった青山政次は自著『心の京セラ20年』の中で回顧しています。式では今後の事業計画などの抱負も話され、和気藹々(わきあいあい)のうちに行われたそうです。
引用にある「京都市の施設」が、旧京都市長公舎なのですが、1989年には、現在の「京都市国際交流会館」として生まれ変わり、さまざまな交流イベントの会場となっています。建物内のカフェは自由に利用でき、旧市長公舎時代の面影を残す七代目小川治兵衛(植治)の作庭による池泉庭園を眺めることができます。所在地である地下鉄東西線蹴上駅周辺は、無鄰菴や南禅寺、そして平安神宮など岡崎エリアへも徒歩圏内ですので、京都にお越しの際には、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
写真
1枚目:結婚式での一枚(1957年12月)
2枚目:現在の国際交流会館
3枚目:カフェから眺める庭園風景
<京都市国際交流会館 案内>
https://www.kcif.or.jp/web/jp/building/kokoka/
<アクセス>
〒606-8536 京都府京都市左京区粟田口鳥居町2-1
京都市営地下鉄東西線 蹴上駅より徒歩5分
最寄りバス停は「南禅寺・疏水記念館・動物園東門前」徒歩4分
https://www.kcif.or.jp/web/jp/access/
