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『経営――稲盛和夫、原点を語る』⑪

250203

『経営――稲盛和夫、原点を語る』(ダイヤモンド社)から、稲盛の言葉をご紹介いたします。

資本主義社会では、「利他の心で経営ができるものか。利己心がなければ経営はできない」と思われています。しかし、決してそうではありません。仏教で言う「自利利他」です。自分の利益を得たいと思うなら、まずは利他が要る。他を助けてあげることがなければ、決して自分もうまくいかないのです。

事業計画を立てる場合、自分がもうけようと思って計画を立てるのか、それとも参画する周囲の人たちすべてが幸せになるようにと思って計画を練るのかによって展開は大きく異なってきます。「みんなのために」という思いで事業計画を立てれば、他力を得て仕事はうまくいきます。自分だけもうけようという利己的な思いで計画を練るならば、いくら立派な計画を立てたとしても、さまざまな妨害を受けたりしてうまくいかなくなってしまうことでしょう。

(『経営――稲盛和夫、原点を語る』「一つの「自力」と二つの「他力」」盛和塾ニューヨーク塾長例会講話、2006226日、p.481-482