Facebookアーカイブ

稲盛和夫のエピソード「人間として正しいこと」を貫いた稲盛

250210

1972年2月、京セラは電子部品事業を強化するために、米国Aerovox社よりセラミック積層コンデンサの製造技術を導入しました。同社の技術を使って京セラはコンデンサを生産し、日本国内で独占的に販売するとともに、海外にも販売できるという契約でした。

これに対して、後年、同社からコンデンサ部門が独立してAVX社が設立されると、同社のトップとなったバトラー会長が、「技術を提供したわれわれが日本で製造も販売もできないという契約内容は、あまりに不公平である」という理由で破棄を求めてきました。

京セラは、その契約は応分の対価を支払ったものであり、バトラー会長からの申し出に応ずる理由も必要性もありませんでしたが、稲盛は『「人間として何が正しいのか」という観点から見れば、バトラー会長の言い分ももっともである』として、契約のその部分を抹消することを受け入れたのです。

自社の損得を度外視して、「人間として正しいこと」を貫いた稲盛の判断でした。 後年、このAVX社は友好的な合併により京セラグループ入りし、電子部品ビジネスをグローバルに展開しています。

写真:合併当初の京セラとAVX経営陣