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『経営――稲盛和夫、原点を語る』⑫

250303『経営――稲盛和夫、原点を語る』(ダイヤモンド社)から、稲盛の言葉をご紹介いたします。
全幅の信頼を置いて、経営者に従業員がついてきてくれる、それは従業員が社長に惚れ込んでいるということです。まずは従業員をして、社長に心底惚れ込んでもらわなければなりません。
惚れてもらうためには、どうすればいいのか。簡単なことです。己を愛していたのでは、誰も惚れてくれません。己を空しくして、自己犠牲を払い、従業員のことを最優先に考えるのです。そうしてあげるから、みんな惚れ込んでくれるのです。「従業員に惚れてもらう」とは、言葉を換えて言えば、聞こえは良くありませんが、従業員をたらし込んで、自分のパートナーに仕上げていくことなのです。そして、そのためには、経営者自身に自己犠牲の姿勢が必要です。
それは、従業員の誰よりも懸命に努力するという、経営者として仕事にあたる姿勢でしょうし、仕事が終わった後に、わずかであっても身銭を切って、従業員を労ってあげるといったような、相手を思いやる姿勢でもあるでしょう。そのような自己犠牲をもって、従業員の心を動かすことが前提です。
(『経営――稲盛和夫、原点を語る』「企業統治の要諦―従業員をモチベートする―」盛和塾ロサンゼルス塾長例会講話、2012年10月1日、p.636-637)