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『「迷わない心」のつくり方』④

『「迷わない心」のつくり方』(サンマーク出版)から、稲盛の言葉をご紹介いたします。
我々は一般に、物事を論理的に組み立てたり、頭で推理推論したりすることが大切であり、「思う」ということは誰にでもできることなので、大したことではないととらえています。
しかし、この「思う」ということは、論理的に推理推論したりすることよりもはるかに大事なものです。我々が生きていく中で、この「思う」ということほど、大きな力を持つものはないと私は信じています。(中略)実は、この「思う」ということが、人間のすべての行動の源、基本になっているのです。
そのことは、二つの側面からとらえることができます。
まず、我々が毎日の生活を送る中で抱く「思い」の集積されたものが、我々の人間性、人柄、人格をつくり出しています。「自分だけよければいい」という、えげつない「思い」をずっと巡らせている人は、その「思い」と同じえげつない人間性、人柄、人格になっていきます。逆に、思いやりに満ちた優しい「思い」を抱いている人は、知らず知らずのうちに、思いやりにあふれた人間性、人柄、人格になっていきます。「思い」というのは、ことほどさように非常に大きな影響を我々に及ぼしているわけです。
さらに、「思い」はもう一つ、大きな役割を持っています。それは、「思い」の集積されたものが、その人に合ったような境遇をつくっていく、ということです。あるいは、「思い」の集積されたものが、その人の運命をつくっていると言っても過言ではありません。
(『「迷わない心」のつくり方』p.154-156 ※2014年10月4日 鹿児島市立玉龍中学校・高等学校での講演より)