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社員が語るエピソード「稲盛名誉会長との思い出」⑪

※このエピソードは2022年に京セラ社内報特別号掲載用として社員から寄せられた思い出のエピソードです。表現、言葉づかい等は出来る限りオリジナルのままにしています。
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名誉会長がJALの再建に当たられていた頃、東京で金曜日の遅くまで仕事をされ、翌土曜日の昼前に京都へ帰ってこられることがよくありました。
秘書の私は東京へ一緒に行くことはなく、京都駅への送り迎えのみしていたのですが、あるとき、東京に出発するため京都駅へ向かう車の中で、名誉会長がスケジュール手帳を見ながら、「今回の出張は土曜日に帰ってくることになっているが、君は京都駅に迎えにこんでいいぞ」とおっしゃいました。
私はどうしてそのようなことをおっしゃるのか分からず戸惑っていると、「君はホームから迎えの車まで鞄を持ってくれるが、そのわずかな時間のため休みにわざわざ出てきてくれることはない。それに、帰ってくるのはたいてい昼前だから、その日は遠出することもできないだろう。土曜のお迎えはもういいから、その分、ご家族に時間を使ってあげなさい」と言われました。
もちろん名誉会長のご指示に対しては頑なに固辞し、その後も休日のお迎えは続けましたが、秘書にもそのような気遣いをされる名誉会長は、本当にすばらしい方だと感激しました。
京セラ株式会社 元名誉会長秘書
写真:右が寄稿者(2016年盛和塾第24回世界大会にて)