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『稲盛和夫の実学』文庫新装版⑥

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『稲盛和夫の実学』文庫新装版(日経BP)から、稲盛の言葉をご紹介いたします。

......儲かったお金が、どこにどのように存在するのかを明確に把握しておくというのは、経営の基本である。しかし、経理が何日もかかってまとめた決算書を見て初めて、それがどこにあるかをつかむというのでは、「キャッシュベースの経営」にはならない。すでに過去のものとなった事実に対してこれからのアクションはとれないのである。経営はあくまで「リアルタイム」で眼前の事実と渡りあわなければならない。

通常、決算は経理が何日も費やしてようやくまとまる。その中での決算整理におけるさまざまな会計的な評価、判断が利益の数字に実際には大きな影響を与えるのである。たとえば棚卸資産は評価の方法によって金額が大きく変化する。しかし、現在、手元にある資金というのは、その瞬間瞬間に在り高を明瞭につかむことができる。自分で自由に使えるお金、キャッシュがリアルタイムで把握できていなければ、激変する経営環境の中で会社を経営していくことはできない。(『稲盛和夫の実学』文庫新装版、p.54