Facebookアーカイブ
寄稿㊲「善き思いを抱き、善き行いをする」(『京の子ども 明日へのとびら』2007年3月)
2007年3月、京都府教育委員会は、人間としての生き方を若年のうちに学ばせることで、子供たちを正しく導くことを目的に、道徳教育の副読本『京の子ども 明日へのとびら』を発行しました。
依頼に応じて、稲盛は「中学校編」に「善き思いを抱き、善き行いをする」と題して寄稿し、思いや行動を変えることで、生まれながらに持っている「運命」を克服することができることについて、次のように語っています。
「人間には、運命があります。その運命とは、人によって異なり、すばらしい運命をもって生まれてきた人もあれば、恵まれない運命を背負って生きている人もあります。しかし、そのような運命は、決して変えられないものではなく、思いや行動を変えることによって、より良いものにすることができるのです。
私の人生も決して平坦ではありませんでした。鹿児島の田舎に生まれ育った、何のとりえもないような少年を、さらに不幸が襲いました。結核にかかり、受験に失敗してしまった上に、空襲で家が焼けてしまうというように、いくつもの災難がふりかかってきたのです。それがわたしの運命であったのかもしれません。(中略)
たいせつなことは、幸運であれ災難であれ、人生で起こるいろいろなできごとを、神様が与えてくださった試練だと考えることです。幸運であったときには、「ありがとう」と感謝の心で受け止め、さらに努力を続ける。災難であったときにも、嘆かず、恨まず、腐らず、愚痴をこぼさず、明るく前向きに、感謝の気持ちをもって努力を続けるのです。
そのようにして、良いときも悪いときも、心の中に善き思いを抱き、善き行いを続けるなら、人生は必ず好転し、すばらしい未来が訪れるものです。皆さんがこれから歩み始める人生において、そのように努めていくならば、皆さんの人生も必ず豊かで実り多いものになっていくに違いありません。」