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連載「稲盛和夫の口ぐせ」-第3回「何言うとる」
「何言うとる?!」――稲盛和夫との打ち合わせで、不合理あるいは不適切なことを発言したときなどに、この言葉が稲盛の口をついて出てきます。「理屈が通らない」、あるいは「見当違いだ」ということを端的に注意しているのです。
稲盛は、生来の性格から、また理系出身というキャリアからも、理詰めでものごとを問いかけていきます。そんなときに、非合理的な発言をしようものなら、この言葉で一蹴されてしまうのです。
打合せでの判断、結論は、あくまでも合理性を伴っていなければなりません。しかし、「理」だけでは得心しないのが人間です。稲盛は、そんな人間の特性もよく理解し、「情」で救うことを忘れません。
大切なことは、その順番です。往々にして、「情」で判断したことを、「理」でつくろいがちですが、これでは屁理屈になります。一方、稲盛は必ず「理」で判断したことを、「情」でフォローしてくれます。
稲盛との打合せ後に、われわれの頭と心の両方がすっきり澄み渡るのは、このことからなのです。