ウエハ後加工

半導体はんだバンプ加工方式3選
~特長別解説~

半導体はんだバンプ加工
とは?

半導体デバイスの実装方式には、ワイヤーボンディング実装(WB実装)方式と、フリップチップ実装(FC実装)方式があります。 WB実装方式は、半導体デバイスの電極と回路基板側の電極を金などのワイヤーで接続します。FC実装方式は、反転(フリップ)させた半導体デバイスを回路基板へ熱圧着、もしくは超音波圧着することで、半導体デバイスと回路基板側の電極同士を直接接続します。 そのために、あらかじめ半導体ウエハの電極部にはんだバンプ(突起)を形成させておく必要があり、その作業工程を半導体はんだバンプ加工工程といいます。はんだバンプ加工法は3種類に分類され、
本ページではそれぞれのメリットを解説します。

◇ワイヤーボンディング実装(WB実装)方式

ワイヤーボンディング実装(WB実装)方式
ワイヤーボンディング実装(WB実装)方式

◇フリップチップ実装(FC実装)方式

フリップチップ実装(FC実装)方式
フリップチップ実装(FC実装)方式

ボール搭載工法

ボール搭載工法は、半導体ウエハの電極にフラックスを塗布したあと、はんだボールをメタルマスクの開口部に落とすことで、はんだバンプを形成する方法です。

ボール搭載工法の最大のメリットは、安定した大きさのバンプ形成が可能な点です。バンプサイズが均一であるほど、チップ傾き等の実装不良を低減できます。
また、比較的大きなサイズ(高さ約100μm以上)のバンプ形成に適しており、電極サイズが大きなICや、チップボンダーの位置精度が低い場合に多く採用されています。
一方で、マスク開口部へはんだボールが落ちず(未搭載)、実装不良の原因となるケースがあり、未搭載が発生した場合は、再搭載が必要です。バンプサイズが小さいほど未搭載の判定が難しくなります。

ボール搭載工法

めっきバンプ工法

めっきバンプ工法は、はんだバンプを電解めっき(電気めっき)にて形成する方式です。半導体ウエハにシード層とフォトレジストを形成したあと、電解はんだめっき、レジスト剥離、シード層エッチングを経て、バンプ形状を整えるためのリフロー工程へと進みます。

ボール搭載工法よりも小さなサイズ(高さ約50μm以下)のバンプ形成が得意であり、回路がより微細なデジタルICなどで多く採用されています。
一方で、大きなバンプサイズを形成するためには、膨大なめっき処理時間が必要になり、生産効率が良くありません。また、フォトレジスト形成が必要なため、他の工法よりも手間と時間がかかってしまう点がデメリットです。

めっきバンプ工法

スクリーン印刷工法

スクリーン印刷工法は、メタルマスクを用いてはんだペーストを印刷する方式です。お客様のウエハに合わせて、メタルマスクの開口部をカスタマイズすることで、多様なバンプ形成のご要望に柔軟に対応可能です。

ボール搭載工法よりも小さく、めっきバンプ工法よりも大きなサイズ(高さ約50~100μm)のバンプ形成が得意です。
スクリーン印刷工法では、ボール搭載工法のように再搭載処理の必要性も低く、まためっきバンプ工法のようにフォトレジスト工程も不要なため、より少ない工数(=短いリードタイム)でバンプ形成が可能です。印刷装置さえあれば、専用のメタルマスクを手配するだけで取り掛かれることもメリットです。

スクリーン印刷工法

特長比較表

はんだバンプ加工法それぞれの特長に関して、下表もご参照ください。

めっきバンプ スクリーン印刷 ボール搭載
得意なバンプサイズ ~約50μm 約50~100μm 約100μm~
その他の特長 デジタルICで
多く採用
短リードタイム 安定した
バンプサイズ

まとめ

本ページでは、半導体はんだバンプ加工法ごとの特長を解説しました。
京セラは、スクリーン印刷工法でのはんだバンプ加工工程受託サービスを提供しております。
ご不明点がございましたら、何でもお気軽にお問い合わせください。

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