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稲盛ゆかりの地を巡る-「京都商工会議所京商ビル跡」

稲盛ゆかりの地を巡る。今回は京都商工会議所の第14代会頭(1995年1月~ 2001年2月の6年間)を務めたゆかりの地、京商ビル(京都市中京区少将井町烏丸通夷川上ル 現存せず ※1)です。戦後京都における建築物の多くを手掛けた建築家・富家宏泰によるモダニズム的作風が特徴的なビルで、稲盛はここを拠点にして会頭職に精力的に取り組みました。
当初、会頭就任は「財界活動は自己顕示欲が強い人がやるもの」という先入観から断っていた稲盛でしたが、先代の塚本幸一ワコール会長に「会頭職はまさに社会奉仕」と諭され考えを変えました。「世のため人のために尽くすこと」を信条とする稲盛は、今から30年前となる1994年12月「京セラを立派にしていただいた地元京都への恩返し」として引き受け、会頭交代の会見を行いました。会頭として和装産業の振興のための「きものサミット」や、地元ベンチャーの活性化のため「経営講座トップセミナー」開催など、京都経済の発展のための支援を積極的に行ってきました。そして、99年5月には、「古都税構想」を機に17年にわたって対立が続いていた京都仏教会と京都市の和解を仲介することで実現しています。※2
京都の歴史に残るこうした数々の活動は、ここ京商ビルで行われた会見を通して世の中に発信されていきました。稲盛は当時の思いを次のように綴っています。
「この六年間、京都の経済界、市民、各界の方々と様々な出会いがあった。将来の京都のあるべき姿をともに議論した。これまで長年京都に住んできたが、この六年を経て、本当の意味で京都人になったような気がする」(『ガキの自叙伝』単行本 P204 より)
- 京商ビルは2019年にその役割を終え、現在ではホテル「ハイアットプレイス京都」となっています。また、現在の京都商工会議所は四条烏丸に新築された京都経済センタービルをその拠点としています。
- 参照過去記事(2022年04月28日「京都市と京都仏教会との和解をとりもった稲盛」)https://www.kyocera.co.jp/inamori/library/facebook-archive/2022/20220428.html
<アクセス> 旧 京商ビル跡地(現 ホテル「ハイアットプレイス京都」)
〒604-0862 京都府京都市中京区少将井町 烏丸通夷川上ル
京都市営地下鉄烏丸線 丸太町より6番出口すぐ
写真:
1枚目 2019年にその役割を終えた京商ビル外観(烏丸丸太町)京都新聞社本社屋(同じく富家宏泰 設計)の向いに位置していた。
2枚目 会頭の交代発表の記者会見(1994年12月)
3枚目 京都仏教会と京都市の歴史的和解会見(1999年5月)
